Andrius Sytas
[タリン 15日 ロイター] – エストニア海軍は15日までに、英国が制裁を科したロシア行きの石油タンカー「ジャガー」について、エストニア首都タリン沖で旗を掲げずに航行する違法行為のため13日に拿捕しようと試みたが、同船が協力を拒否したため臨検できず、代わりにロシア海域まで護送したと明らかにした。
英国が9日に制裁リストに追加した同船は、制裁を回避するための船舶だとして西側諸国が非難するロシアの「影の船団」約100隻のうちの1隻。これらの船舶は通常、西側の正規組織による規制や保険を受けていない。
これに関連してエストニアはのツァクナ外相は15日、訪問先のトルコの都市アンタルヤで記者団に対し、海軍が拿捕しようとした際に「ロシアが状況を確認するために戦闘機を派遣し、同機は1分近く北大西洋条約機構(NATO)領空を侵犯した」と述べた。
その上で「ロシアは『影の船団』を守る準備ができている。状況は本当に深刻だ」と付け加えた。
これに先立ってはX上で、ロシアは「より厳しい、迅速な制裁」に直面するべきとの考えも示した。
ロシア外務省からは今のところコメントを得られていない。
「マリン・トラフィック」のデータによると、ジャガーは15日、ロシア・プリモルスク港の近くに停泊。アフリカ中部に位置するガボンの国旗を掲げているとされている。