自民党の鶴保庸介参議院予算委員長は、先日の参院選応援演説での「運の良いことに能登で地震があった」という発言について、会見を開き謝罪・撤回しました。この発言に対し、被災地への配慮が不足していたと述べ、深く反省の意を示しました。
発言内容と謝罪の詳細
会見で鶴保議員は、問題の発言は自身の真意では全くない旨釈明しました。被災地訪問や支援に触れ、自身も復興を案じている一人だと述べました。発言の背景には、能登の状況を行政の暫定措置が二地域居住の促進、ひいては複数住民登録への道筋となりうる例として挙げたかった意図があったと説明しました。しかし、被災地への「配慮が足りなかった」と認め、「言葉足らずであった」と深く反省。被災者の苦労を考えると例として不適切だったとし、陳謝の上、発言を撤回しました。
会見で頭を下げる鶴保庸介参院議員
発言の経緯と背景
発言の経緯として、鶴保議員は関わる「二地域居住促進議連」での議論を挙げました。議連では、複数地域での住民票登録の是非や方法が熱心に議論され、その中で「こうした事例がある」という話を聞き、行政も対応可能との連想から今回の発言に至ったと説明しました。
責任問題への言及
責任の取り方について問われると、鶴保議員は「責任を取ることで、皆さんの気持ちが収まるなら、どういう形でもやぶさかではない」と応じました。しかし、「罪から逃れた」と見られることへの抵抗感を示唆。議員辞職や離党といった最も重い責任については、記者団に対し「そこまでは考えていません。はい、現状です」と述べ、現時点での考えはないことを明言しました。
能登地震に関する発言について会見する鶴保庸介参院議員
今回の鶴保参院議員の発言と謝罪は、災害被災地への配慮の重要性を改めて示しました。発言背景には二地域居住促進の議論があったと釈明しましたが、言葉遣いが波紋を広げました。議員辞職は現時点では否定しており、今後の動向が注目されます。