バブル崩壊を待ち望んでも「マンション価格大暴落」がやってこない根拠


 最近、よく聞かれる質問がこれだ。以前、ある動画配信番組で「持ち家派vs賃貸派」で討論したことがある。

【画像】 首都圏の新築分譲マンション価格は1億円台に

 その番組で興味深い発見があった。2013年に始まった異次元の金融緩和について、賃貸派は株価上昇を予測していたが、持ち家派の私はマンション価格の資産インフレを予測していたのだ。株に興味がなかった私にとって、金融緩和と株価の相関関係は新鮮な衝撃だった。

■株と不動産の長期的な相関性

 確かに、株の売却益で持ち家を購入しようとする人は昔から一定数存在する。株価が一時的に下がると、こうした人たちは購入を中止や延期することがある。買い手の需要が減る事態ではあるが、不動産市況への影響は限定的だ。こうした買い手の絶対数が少ないことと、売り手が売却期間を延ばすことで対応できるためだ。

 不動産価格が下がるのは、不動産への資金供給量が減少する時に限られる。戦後、住宅価格の主な下落局面は3回だけだ。バブル崩壊と金融ビッグバンとリーマンショック。その際になぜ下がるかというと、新築を供給する事業者が資金ショートして倒産するからだ。これと同じタイミングで株価も下がっているだろうが、それは資金供給量が総じて下がっているからにすぎない。

■「下落局面」が示す崩壊の条件

 ちなみに、バブル崩壊から金融ビッグバン以降までの下げ幅は大きかったが、リーマンショック時は違う。新築価格が2割、中古価格が1割下落するほどにとどまった。中古は1年で1割下げたが、次の1年で元の水準に回復した。



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