千円着服で懲戒免職、1200万円の退職手当もパーに…この処分、重すぎる? 「魔が差した」バス運転手の払った大きすぎる代償、司法の判断も揺れた


【写真】魔が差した…まじめな駅員はなぜ 転落した人生、後悔と現在

 「犯罪行為であり当然だ」「やった事に対して処分が重すぎる」。どちらの意見にも一理ありそうだが、判断を分けたポイントはどこにあったのだろうか。(共同通信=帯向琢磨)
▽ドライブレコーダーで発覚

 男性は1993年に京都市交通局に採用された。戒告処分や注意を受けたことはあるが、遅刻や無断欠勤はなく、無事故運転者表彰や接遇優秀職員表彰を受けたこともあったという。

 “事件”があったのは2022年2月。乗客が5人分の運賃1150円を支払った際、男性は硬貨150円を運賃箱に入れる一方で千円札をカバンに入れた。乗務が終わった後、運賃箱に入った硬貨や回数券などを精算したが、千円札は制服のポケットに入れた。

▽市の処分は「裁量の範囲内」

 2023年7月に言い渡された一審・京都地裁判決は、市が男性を懲戒免職とした判断は裁量の範囲内で違法ではないと判断した。公金と自分の金を厳格に区別するために、勤務中に自分の金を持つことを職務規程で禁じるなど、運賃を適切に管理することが運転手には強く求められると指摘した。



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