携帯料金値上げに消費者から厳しい視線 大手3社、今期増益見込む 楽天は値上げ否定


【写真】ドコモ、新プランの複雑化と実質値上げに批判

■ドコモ、KDDIが値上げ

NTTドコモは売上高に当たる営業収益が前年同期比1・2%増の6兆2131億円、純利益は9・6%減の7185億円だった。

前田義晃社長は今期の26年3月期を「変革の年」と位置づけている。第5世代(5G)移動通信システムへの移行失敗で低下した通信品質の改善などに引き続き注力する。26年3月期も販売促進費用がかさみ、減益を見込むが、27年3月期以降の増益を目指す。

NTTドコモは大規模な料金改定を発表しており、新規顧客を獲得する目的だった月額550円の低容量プランを廃止する。データ通信をほとんどしない高齢者や複数回線を契約する人の需要の受け皿がなくなる形だ。

前田社長は「半数が1年以内に次へ移る。獲得にコストをかけていくこと自体にあまり意味がなくなってきている」と強気の姿勢をみせる。前田社長は「契約は増えないが、純減もしない。影響を多く及ぼすことはない」と豪語する。

KDDIの売上高は2・8%増の5兆9179億円、最終利益は7・5%増の6856億円。金融事業のほか、ローソンの業績も好調だった。

KDDIは既存プランの契約者も含んだ数百円の値上げを実施する。松田浩路社長は「業界全体として、持続的な成長が必要」と理解を求めた。値上げにより、26年3月期は営業利益ベースで約300億円の増益効果を見込む。

ソフトバンクは売上高が7・6%増の6兆5443億円、最終利益は7・6%増の5261億円。まだ料金改定を発表していない同社の宮川潤一社長は「そろそろ限界に達しつつある」と値上げを示唆しながらも、「じっくりと戦略を練りたい」と慎重な姿勢を見せた。「料金を据え置けば顧客獲得に効果もある」とし、値上げの時期を見極める考えだ。

■品質「納得感」重要に



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