<Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。 問:この文脈において、『Alexandraの愛称は( )である』の空欄に当てはまる最も適当なものを、(1)Alex、(2)Alexander、(3)男性、(4)女性の中から選べ>
この“アレクサンドラ構文”が、ネット上で話題になっている。一見簡単そうだが、正しく答えられた中学生は38%、進学校と言われる高校に通う生徒でも65%だった。テストの目的は、文章を正しく読み取るスキルがあるかを測ること。不正解者の多くは、文字自体は認識できていても、文章になると正しく読み取ることができないそうで、これを“機能的非識字”と呼ぶ。
「自分は大丈夫」と思う人もいるだろうが、機能的非識字を自覚していない人は多いという。また、そうした人たちには社会生活でもさまざまな弊害が生じているようだ。ちなみに、冒頭の問題の正解は「(1)Alex」。
『ABEMA Prime』では、アレクサンドラ構文の考案者から、機能的非識字について学んだ。
■「わかりやすく伝えようと書かれた文章でも読めない方が多い」
アレクサンドラ構文を考案した国立情報学研究所の新井紀子教授は、「正しく説明文を読む力を測るリーディングスキルテストを考案した。2017年ぐらいから、小学校5年生から大人まで50万人が受験している。視力検査のように、最初に中程度の問題が出て、間違えるとより簡単に、正解すると難しい問題へ行く」と説明。「教科書や新聞、辞書など、わかりやすく伝えようと書かれた文章から引用しているが、それでも読めない人は多い」という。
アレクサンドラ構文の正答率は、中学生が38%、高校生が65%。一方、「(4)女性」と誤答したのは、中学生が39%、高校生が26%だった。「中学校は公立でランダムサンプルが取れた。高校はたまたま進学校だけのサンプルだが、その中でも3分の1が構文を読めていない」。
一方、コラムニストの河崎環氏は「受験テクニックで育っているような子たちの一番の急所をついている」と指摘。「試験で点数を取るための国語や現代文を教える時、“問題文の中から同じことを書いている一文を探しなさい”と言う。そうすると、今回は『女性の名Alexandraの愛称』と書いてあるので、『女性』を選ぶ。ナチュラルな答えになっているわけだ」との見方を示した。