学生を苦しめる“奨学金”地獄「結婚を断られることも」専門家が警鐘鳴らす実態と若者の“リアル”な声


【写真】「返済の重圧で命を絶つ人も」若者の未来を憂う奨学金バンク創設者の大野さん

奨学金という負債

《毎月1万5000円、これが35歳まで続くと思うと鬱……》《やめたら返済できないから、ブラック企業だけどやめられない件》《夜職Wワークで返済きつい》《何度も返済できない月があった。ブラックリスト載ってるかも……恐怖》《本当にしんどい奨学金地獄》など、SNS上には奨学金の返済に関する切実な声があふれている。当事者は、20代の若者だ。しかし、奨学金とは優秀な苦学生を救済する制度ではなかったのだろうか。少なくとも、50代以上の世代からすると、そのようなイメージを持っている人も多いはずだ。

「確かに、私が学生だったころ、奨学金は本当に優秀な学生だけが受けられるもので、ほとんどが返済不要の給付型でした。ですから、私たちの世代では、“奨学金”は“返さなくていいお金”という認識が一般的でした」

 そう語るのは、奨学金バンク創設者の大野順也さん。

「私が45歳のとき、10歳年下の知り合いから“まだ奨学金を返済している”と聞きました。“35歳にもなって、まだ奨学金を返しているの?”と聞き返してしまい、“大野さん、いまはみんな40歳くらいまで返済しているんですよ”と言われ、大いにショックを受けました」

 平均借入総額324・3万円、平均年数14・7年間、平均返済月額1・5万円。これが奨学金を借りた若者にのしかかっている負担のリアルな数字だ。

「奨学金と名前はついていますが、実情は教育ローンといえます。諸外国では、奨学金といえば、給付型が一般的ですが、日本の奨学金は返済が必要な貸与型がほとんど。しかも現在、奨学金を借りている人が約480万人もいる。大学に進学する人のうち、約55%、半分以上の学生が奨学金を借りている。つまり2人に1人です。返済が滞ると信用情報が登録され、クレジットカードの利用などが制限されることも。こうした返済の重圧で命を絶つ若者もいるんです」(大野さん)



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