“任命拒否問題”の当事者が語った 文書が存在しないというのは「ありえないですね」日本学術会議と政治 対立の背景は【報道特集】


【写真で見る】開示された文書 6人の名前の上に大きくバツ印が

発端となった、菅政権下での“任命拒否”をめぐる問題。学術会議と政治、対立の背景にあるものとは。

■今も明らかにされていない「任命拒否の理由」

5月13日、「日本学術会議」を組織改革する法案が賛成多数で衆議院を通過した。

学術会議は、日本を代表する学者が集まり、国の政策などについて科学者の視点で意見を伝える組織だ。法案が成立すれば、「国の特別機関」ではなくなり、「特殊法人」に移行することになる。

組織の改革が俎上にあがったのは5年前。当時の菅総理が、学術会議が推薦した会員候補者6人を任命拒否したことがきっかけだった。その理由について、政府はこう説明していた。

菅義偉総理(当時)
「ですから総合的・俯瞰的活動を確保する観点から――」
加藤勝信官房長官(当時)
「総合的・俯瞰的――」

今もその理由は明らかにされていない。

坂井学 内閣府特命担当大臣
「総合的・俯瞰的な活動を確保する観点から判断を行ったもの」(4月18日)
「この法案は、独立性・自律性を抜本的に高める」(5月9日)

法人化することで、会議の独立性が高まると政府は主張している。

また、総理が会員を任命する仕組みも無くす。一方で、新たに総理が任命する「監事」という役職を置き、組織の運営をチェックするという。

村瀬健介キャスター
「国会議事堂の前です。通路の両側に、これだけたくさんの人たちが集まっています。今、国会で審議されています、日本学術会議の法人化をする法案に反対する人たちの集会なんです」

懸念されているのは、法人化しても結局、学術会議が政府のコントロール下に置かれるのではないかという点だ。

大学生
「政府側が介入して、独立性を危ぶまれるような状況になるのが一番心配」

法案の内容については、当事者である学術会議側も修正を求めている。

学術会議 法学委員長 川嶋四郎教授(同志社大学)
「例えば、監事は少なくとも(学術会議の)総会任命にするとか、あるいは監事2名と書いてあるので1名は学術会議が選任するとか。それが一番いいのではないか。常に政府に監視されながら、言わざるを得ないことを、言っているのではないかと思われるような、新しい学術会議ができてしまう懸念がある」



Source link