ひとり暮らしの住まいには、そこに住む人の価値観や生き方が色濃く表れる。本連載「だから、ひとり暮らし」は部屋を通じて住人の物語を探る。今回紹介するのは、10.8万人の登録者がいるYouTubeチャンネルを持つ「谷桃子バレエ団」に所属するバレリーナ、大塚アリスさん(26)。
【写真】白くてホワホワ。大塚さんが集めている「かわいいもの」。手先が器用で、手作りしたものも!
ロシアの名門、ワガノワ記念ロシアバレエアカデミーに留学し、卒業後は2年間ロシアでプロのバレリーナとして活動。しかし新型コロナウイルスの世界的流行を受けて一時帰国を余儀なくされた。
現在はロシアによるウクライナ侵攻の影響で再渡航が難しく、実家のある関西での活動を経て、2023年春に東京の谷桃子バレエ団に入団。2025年5月の公演『ドン・キホーテ』では「森の女王」を踊る、注目のバレリーナだ。
■ピンクと白で彩られた“美のアスリート”の部屋
大塚アリスさんの部屋は、東京都内の住宅街にたたずむマンションの一室。約25㎡とコンパクトな空間だ。
部屋に入ると最初に目をひくのは、壁に飾られた繊細なイラストのパネルだ。聞けば、大塚さん自身の手によるものだそう。窓辺にはお気に入りのコスメが並び、棚には丁寧にコレクションされたバッグたち。ピンクを基調にした、華やかでエレガントな空間だ。
しかしこの部屋には、もうひとつの顔がある。視線を少しずらせば、大量のバレエシューズ、ファンから贈られた花々、そしてマッサージガンやストレッチグッズなどのメンテナンスツールが目に入る。この部屋は、“美のアスリート”であるバレリーナが、日々、自らを整えている場所でもあるのだ。
「家は自分に向き合う場所ですね。ひとりで居ることが苦にならないタイプなので、寂しさは感じません。外ではレッスンや舞台、講師業をこなすなど忙しくしているので、家ではひとり時間を楽しんで、メリハリをつけています」(大塚アリスさん 以下の発言すべて)
大塚さんにひとり暮らしの部屋を公開してくれたことについてお礼を言うと、「これも仕事のうちですから、大丈夫ですよ!」と、サラリと受け入れてくれた。
彼女はバレリーナとして、谷桃子バレエ団のYouTubeチャンネルでも露出が多く、YouTubeの動画ディレクターによる書籍『崖っぷちの老舗バレエ団に密着取材したらヤバかった』でも大きく取り上げられている。
住んでいる部屋や、その時々の想いをカメラの前でざっくばらんにシェアする大塚さんを見て、普段見えないバレリーナの内面やプライベートに触れて驚いた人も多いはずだ。