価格高騰が続くコメに関し江藤拓農林水産相が「(私は)買ったことがありません。支援者の方がたくさん下さるのでまさに売るほどある」などと発言したことが波紋を呼んでいる。園田寿・甲南大名誉教授(刑法)に見解を聞いた。
江藤拓農水相が支援者から社会的儀礼の範囲内でコメを受け取っていた場合には違法性はないといえる。ただ、仮に儀礼の範囲を超えるような大量のコメを受け取っていれば、賄賂性が生じる余地があり、刑事責任を問われる可能性もある。
刑法は、職務権限を持つ公務員が職務に関し賄賂を受け取ることを単純収賄罪と規定している。特別の計らいを依頼する「請託」を受ければ受託収賄罪が成立し、刑が引き上げられる。
今回は江藤氏がコメを受け取った時期や数量、相手先などが賄賂性の有無を判断する上で重要になる。同時に、江藤氏に対して支援者がどのような趣旨でコメを贈ったのかという部分も問われることになるだろう。