石破総理はなぜ「消費減税」に踏み切らなかったのか 参院選情勢分析で出た“意外すぎる結果”、若手時代に脳裏に刻んだ“原風景”とは


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案外楽しんでいる

 すわ「とどめを刺さされたか」と思われた商品券問題も、石破茂首相は低姿勢に徹しながら説明を重ねる粘り腰を見せた。予算委員会などで論戦する答弁ぶりについては、嫌がる素振りも見せず、「実は案外、楽しんでいるのでは」(与党関係者)という、称賛だか揶揄だか分からない声さえ聞こえて来る。

 そして、ある意味で思い切った選択をしたのは、次期参院選の公約としての消費税減税を封印したことだ。先の衆院選で議席を4倍増させた国民民主党は、減税を掲げて「手取りを増やす」のフレーズを多くの有権者にインプットした。さらに2012年当時の首相として消費税増税を決めた野田佳彦代表率いる立憲民主党までもが、1年間限定での食料品の消費税率ゼロを公約に打ち出すことを決めた。他にも多くの野党が消費税率引き下げを訴えている。

 こうした状況の中、自民党執行部はあえて逆の方向に舵を切った。「後からすり寄る」のは選挙にマイナスイメージを与えることはあり得る。ただ、政権はこれまでに、物価高対策の一環として4月に一時浮上した、国民に対する所得制限を設けない現金の一律給付を見送っている。ばらまき批判が想定以上に強く、世論調査でも反対が賛成を大きく上回ったという事情があった。この一律給付金案は、もともと消費税減税の代わりという性格があった。これにより、現時点では二つともなくなった形になっている。



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