世界有数の自動車展示会である「上海国際モーターショー」が、4月23日から5月2日まで10日間にわたって開かれた。26カ国・地域から1千社近くのメーカーが出展し、発表された新車は160台超だった。
【写真】「上海国際モーターショー」で披露されたトヨタ自動車の新型EV「bZ7」
新車などと並んで注目されたのが、2年前の上海モーターショーと比べて「どのメーカーがいなくなったのか」ということだ。
まずは外資系メーカー。韓国の現代自動車と起亜は出展を見送った。中国メディアは「韓国ブランドが2002年に中国に進出して以来、姿を消すのは今回が初めて」と伝えた。フランス系の東風シトロエンや、英国のロールスロイスなども会場から姿を消した。
外資系メーカーは、中国市場で進む電気自動車(EV)シフトを背景に躍進する現地勢を前に劣勢を強いられている。不動産不況を背景とした消費不振が続く中、超高級車ブランドも厳しい状況にある。
ただ、中国勢でも消えたメーカーは少なくない。高合汽車や極越汽車のように経営危機などが伝えられた新興EVメーカーだ。
ここ数年の中国自動車産業を巡る変化の大きさと速さを実感させられる。2年後の上海モーターショーではどのメーカーが消えているのか。「トランプ関税」という新たな要素も加わり、不透明さはさらに増している。(三塚聖平)