大阪市住吉区で17日から行方不明になっていた小学6年の女児(12)が23日、栃木県小山(おやま)市の交番で6日ぶりに保護された。目立ったけがはなく、無事という。女児は「男の家から逃げてきた。別の女の子もいる」と説明。栃木県警は男を特定して身柄を確保、男と一緒にいた別の少女(15)も保護した。大阪府警は同日、女児を誘拐したとして未成年者誘拐容疑で、同市の職業不詳、伊藤仁士(ひとし)容疑者(35)を緊急逮捕した。「誘拐しようとしたのではない」と容疑を否認しているという。
府警などによると、女児は17日午前に自宅を出た後に行方が分からなくなり、同日午後10時ごろ、30代の母親が府警住吉署に「娘がいなくなった」と届け出た。
府警は19日に女児の顔写真を公開。情報提供を呼びかけるとともに、防犯カメラを調べるなどして女児の行方を捜していた。
女児は23日午後1時半ごろ、小山市内の犬塚交番に駆け込み、氏名を名乗った上で、「30歳くらいの男の家から逃げてきた。もう1人、女の子が家にいる」と説明。県警が家の周辺を捜査していたところ、伊藤容疑者が少女とともに出てきたため、身柄を確保した。
逮捕容疑は17日午前10時35分ごろ、未成年と知りながら、女児を住吉区の自宅近くの公園で誘拐したとしている。
女児は母親と10代の姉、兄との4人暮らし。17日午前7時ごろに自宅で朝食を取るのを母親が確認した。母親が仮眠し、午前11時ごろに起きたときには姿がなく、2階にいた姉や兄も気付かなかった。
母親は午前11時すぎに、女児のスマートフォンに電話したが、電源が切れていてつながらず、送ったメッセージも既読にならなかった。午前10時半ごろに友人が女児に送信した無料通信アプリ「LINE(ライン)」のメッセージは既読となり、簡単な返信があったが、それ以降は電源が切れた状態が続いていた。