大阪・関西万博のバルトパビリオンの入り口に飾られていた万博公式キャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみが盗まれた問題は、「本国」ラトビアの国営テレビでも報じられた。
ミャクミャクが続々とプレゼントされ、バルト館のキャラクターの友達が10人以上できた、などと報じている。
ラトビア国営テレビ「LTV」も18日、一連の流れを報じた。
■「ミャクミャクは突然消えてしまいました」→「次々とミャクミャクがバルト館に到着」
バルトパビリオンは、バルト地域のラトビアとリトアニアの2国による共同パビリオンだ。「森と湖の国」として知られるバルト地域の自然や文化を伝えている。
駐日リトアニア大使のオーレリウス・ジーカス氏は16日、防犯カメラの動画を添え「とても寂しいことに、大阪万博のバルト館で一生懸命に仕事をしていたミャクミャクは突然消えてしまいました #防犯カメラありがとう」とXに投稿した。
動画には、2人組の客が周囲をうかがいながら、パビリオンの入り口に置かれていた「ミャクミャク」のぬいぐるみをカバンに入れ、持ち去る様子が映っていた。
「日本推しラトビア人」としてインフルエンサー活動をするかたわら、バルトパビリオンでもスタッフとして働いている「アルトゥル」さんも、「悲しいお知らせです。万博のバルト館に飾っていたミャクミャク様の人形ですが、お客さんに盗まれてしまいました」とXで報告していた。
心無い盗難劇の反面、ミャクミャクの仲間たちが増えているという。万博を訪れた人が、ミャクミャクの寄付を行っているというのだ。
ジーカス大使は17日、横たわり手を挙げたミャクミャクのぬいぐるみが、万博カラーの招き猫のぬいぐるみを取り囲む写真を添え、「現在、次々とミャクミャクがバルト館に到着しております」と報告していた。
「バラビちゃんには10人以上の友達ができた」
ラトビア国営テレビ「LTV」は18日、一連の流れを報じた。公式フェイスブックでも動画を公開している。
動画に添えられたコメントによると、ミャクミャクについてリトアニア発のゆるキャラで、バルト館の公式マスコットでもある「バラビちゃん」の「友達」だとして、「バラビちゃんの友達、『ミャクミャク』が盗難にあったことが公表され、万博とバルト館を訪れた人々からかつてないほどの愛情が寄せられている」と伝えた。
「盗難の様子がSNSに投稿された後、複数の地元メディアがこのニュースを拡散した。数日のうちに、万博の来場者たちは失われた時間を取り戻すべく(ぬいぐるみを寄付した)、バラビちゃんには10人以上の友達ができた」
動画では、バルト館のラトビア側の責任者、ラトビアコミッショナージェネラルのラースマ・リーダカ氏が、ずらりと並んだぬいぐるみの前でインタビューに応じた。
盗難の様子を伝えたほか、一連のエピソードを報じた新聞記事の切り抜きやSNS投稿も紹介している。
なお、バルト館の公式フェイスブックページや公式Xアカウントでも、リーダカ氏とリトアニア万博ジェネラルコミッショナーのリナ・アンタナヴィチエネ氏が並んだ動画を添え、感謝のコメントをつづっている。
Xでは、「ラースマ・リーダカとリナ・アンタナヴィチエネの両館長、そしてチーム全員から、心からのありがとうを申し上げます! 応援に駆けつけてくださった心温まる来場者の皆さまの優しさとサポートに、私たちは本当に感動しています」とコメント。
フェイスブックでは、「信じられないような優しさの表れとして、パビリオンを訪れる人々が応援の気持ちを伝え、私たちを元気づけようと、ミャクミャクを持ってきてくれるようになったのです」と振り返り、「私たちとともに歩んでくれてありがとう!」と感謝を明かしている。