米厚生省は19日、反ユダヤ主義や人種差別への対処を怠ったとして、ハーバード大への連邦補助金6000万ドル(約87億円)を打ち切るとX(旧ツイッター)に公表した。「キャンパスにおける差別は容認されない。全ての学生を守る教育機関を支援する必要がある」としている。
トランプ政権は同大に対し、パレスチナ自治区ガザの紛争を巡りイスラエルに抗議する親パレスチナの学生団体の解散や、バイデン前政権が進めた多様性・公平性・包括性(DEI)プログラムの廃止などを要求していた。
しかし、同大が拒否したため、政権は3月以降、同大に対する補助金計約90億ドルの調査を開始。ロイター通信によると、これまでに約30億ドル分を凍結、終了させた。大学側は「学内の自治と憲法上の権利を侵害している」として、連邦政府を提訴している。
トランプ大統領は就任以降、反米主義や極左思想に支配されているとして、名門大学の締め付けを強化。ハーバード大やコロンビア大など多くの大学が標的となっている。(桑村朋)