ウクライナの停戦交渉をめぐり、電話会談を行ったトランプ大統領とプーチン大統領。2人の溝は埋まらず、トランプ大統領は仲介から手を引く可能性にも言及しました。
【画像】「何も起きなければ手を引く」トランプ氏“仲介撤退”示唆 ロシア“30日停戦”拒否
米ロ首脳会談が行われる前、バンス副大統領は現状をこのように説明していました。
アメリカ バンス副大統領
「行き詰まったように感じている。ロシア側が停戦をしないなら『我々の戦争ではない』と切り捨てるしかない」
3度目の電話会談を終えたプーチン大統領。欧米やウクライナが求めている「30日間の停戦」を改めて拒否しました。
ロシア プーチン大統領
「解決の原則や平和条約の締結時期など色々決めなければなりません。ロシアの立場は明確です。この危機の“根本原因の排除”が重要です」
“根本原因を排除”とは、ロシアが併合を宣言した東部・南部4州からウクライナ軍が完全撤退し、クリミア半島と共にロシア領として承認すること。NATO加盟の断念などです。到底飲めない条件ですが、戦況が有利な今のロシアが欧米やウクライナに譲歩し停戦する理由はありません。
会談後のトランプ大統領。その発言は以前に比べ、熱量が低いように思えました。
アメリカ トランプ大統領
「非常に大きなエゴが絡んでいる。進展がなければ、私は手を引き、戦争が続くだけだ」
(Q.手を引くか否かのレッドラインは)
「明かすことはしないが、頭の中では線を引いている」
「仲介から手を引く」その可能性への言及です。
CNN(20日)
「『手を引く』と脅すのはディールメーカーの常套(じょうとう)手段だ。しかし、政権がウクライナ支援に極めて懐疑的であることを踏まえると、単なるブラフではないかもしれない」
イギリスとEUは、ロシアに対して新たな制裁を行うことを決めました。さらに、次の制裁案の選定に入っています。
EU外務・安全保障担当 カラス上級代表
「我々は第17弾の制裁パッケージに合意するが、ロシアが和平を望むよう、より強い圧力をかけるために次の強力な制裁パッケージに取り組み続ける」
ドイツ ピストリウス国防相
「最も効果的な制裁は、エネルギー販売による資金の流入をさらに断つことだ」
こうした動きがあるなかでも、アメリカは追加制裁への態度を曖昧にしたままです。
アメリカ トランプ大統領
(Q.なぜ制裁強化に踏み切らないのか)
「成果が得られる可能性があるからだ。制裁をやれば状況がさらに悪化する。ただし、そうなる時がくるかもしれないが」
(Q.プーチン氏が和平を望まなければ、ウクライナへの武器供与を続けるか)
「検討する。検討はするが、私は物事を前向きに考えたい」
テレビ朝日