【ワシントン=阿部真司】米国のバイデン前大統領(82)が前立腺がんと診断され、骨にも転移していると公表したことを受け、在任中の健康状態を巡る疑念が再燃している。
トランプ大統領は19日、ホワイトハウスで記者団に対し、バイデン氏のがんが悪化するまでには時間がかかったはずだと主張。「長い間、公表されなかったことが驚きだ」と語り、バイデン氏側が病気を隠していた可能性があるとの見方を示した。
昨年の大統領選では、バイデン氏が客観的な認知テストを受けるのを再三にわたって拒むなど、健康状態に対する疑念が深まった。
バイデン氏側は今月の検査でがんが判明したとしているが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、再選を狙っていたバイデン氏の健康状態は有権者から厳しく見られていたと言及し、「側近が彼の衰えを隠蔽(いんぺい)していたのではないかという懸念が高まっている」と指摘した。
バンス副大統領も19日、記者団に「なぜ前大統領の健康状態に関する正確な情報が国民に共有されなかったのか」と主張した。