64歳で42年間のヘア&メイクアップアーティスト人生に終止符を打った藤原美智子さん。現在は、女性のライフスタイル全般を提案するビューティ・ライフスタイルデザイナーとして活躍しています。
現在67歳。「年齢を重ねるほど自分がやりたいこと、求めていることが明確になり、迷いがなくなるぶん、物事がシンプルになり実行しやすくなる」と語る藤原さんが今、実践していること、考えていることを3回にわたってお届けします(本記事は藤原さんの著書『何歳からでも輝ける秘訣』より一部を抜粋、再編集したものです)。
■深く考えすぎず、まずは始めてみる
今、私が夢中になっているのはバレエです。61歳で始めてから、もう6年目になります。
子どもの頃に習っていたわけではありません。私は習い事が続いたことがなく、日本舞踊、習字、そろばん、ピアノ……いろいろ始めては途中で投げ出すような子どもでした。
だから、母にバレエを習いたいと言ったときには即座に却下されてしまいました。仕方がなくバレーボールを始めたのは、今ではもう笑い話です。
40代のときに少しの間、雑誌の企画でバレエに挑戦したことがあったのですが、「私には無理」と痛感して終わりました。バレエをするにはまだ体が硬すぎたし、筋肉がなさすぎました。
そして50歳のとき、私は走り始めました。これも雑誌の企画で「ニューヨークシティ(NYC)ハーフマラソンを走りませんか?」と依頼されたからです。ストレッチのおかげで体の調子がよくなってきていたので、何かにトライしてみたいと思っていた矢先だったこともあり、「走ります!」と即答しました。
練習初日は笑っちゃうくらい走れなくて、電柱2本分の距離をようやく走れたくらい。でも次の日は電柱4本分、その次の日はあの角まで、そして海まで、と少しずつ距離を延ばしていくうちに、NYCの本番では完走することができました。
ランニングはそのあとも10年続け、「三日坊主の自分」「長続きしない自分」というマイナスの自己イメージを払拭することができました。ついでにいえば、走っているうちに、更年期の不調もどこかに消えていました。