コードバンが「革のダイヤモンド」と呼ばれる理由、希少で手間のかかった“まさに一生もの”自身を格上げしてくれる逸品の魅力とは


【写真を見る】コードバンの作業工程が宝石の発掘に似ているため「革のダイヤモンド」と呼ばれる。靴や鞄、手帳などどれも美しい仕上がり

 今回はそんな読者諸兄姉にとって、価値を見出すことができるであろう“コードバン”の世界を紹介します。もちろん、ここまでの人生で触れ、所有した経験がある方もいるかと思いますが、改めてその特長や歴史を掘り下げたならば、きっとコードバンの魅力を再認識するのではないでしょうか。

 コードバンとは馬の臀部の革を指します。それだけ聞くとある程度大きい革を想像できますが、実際には皮膚組織の内部にある厚さわずか1〜2mmほどの“コードバン層”と呼ばれる部分だけが使われています。

 このコードバン層を傷つけずに削り出すには熟練の技術が必要で、その作業工程が宝石の発掘に似ていることや生地の希少性、美しい仕上がりから「革の宝石」、「革のダイヤモンド」とも呼ばれる素材です。

 これらは素材そのものの特徴であり、そこからさらに鞣しや仕上げの工程を経て製品として完成するわけですが、手がけるタンナー(製革業者)によって少しずつ仕上がりに違いが出てくるのです。

 最も有名なのはアメリカ・イリノイ州シカゴに構える老舗タンナー、ホーウィン社の「シェルコードバン」。写真のオールデン社のシューズにも使われる歴史あるコードバンで、美しさと耐久性、通気性、防水性を最高品質で兼ね備えています。その品質の高さは世界最高峰と呼ばれるほど。ぜひ一度は手に取っていただきたい逸品です。

■コードバンの魅力を堪能できるアイテムを厳選

 まずは、コードバンを語るのに欠かせない名門靴メーカー、オールデンから。

 アッパーから足先までのステッチワークがV字に見えることから通称“V-TIP”と呼ばれるオールデン独特の一足。美しく深い光沢のホーウィン社製コードバンを使用し、厚みがありながらもしなやかな素材は形状記憶に優れており、一歩踏み出しただけで履きじわが残るほどの馴染みのよさが特徴です。



Source link