「警察が立ち去らないと殺すぞ」 千葉・船橋立てこもり事件「緊迫の現場」写真


のどかな住宅街が騒然…船橋立てこもり事件 現場となったアパート【写真】

逮捕されたのは同アパートに住む無職、和田敢士容疑者(32)。同居する容疑者の兄から「包丁を持って立てこもっている」と警察へ通報があり、事件が発覚した。駆けつけた警察官に「警察が立ち去らないと殺すぞ」などと話していたという。

凶器は包丁2本だったが、さらに一部の部屋に灯油をまいていた。現場には消防も駆けつけており、万が一出火した際は素早く消火できるように現場では臨戦体制が取られていた。

◆身勝手すぎる犯行動機

和田容疑者は母親・兄・妹の4人暮らしだったが、近隣住民は和田容疑者の姿を見たことがほとんどなく、むしろ3人家族だと思っていたという内容が多く聞かれた。逮捕後、警察の調べに対し、「前日、音楽を聴いていたら母親に注意され、怒りを覚えて家族全員を殺そうと思った」と供述した。あまりにも身勝手すぎる犯行動機だ。

現場周辺は田畑が広がるのどかな場所だが、この日はアパート周辺に規制線が張られ、警察や消防、医療関係者が行き来するなど緊迫した雰囲気に包まれていた。

近くのコンビニが報道の最前線取材場所となり、多くの報道関係者は警察が設定したブースで撮影を行っていた。コンビニ駐車場は多数の覆面パトカーや救急車で埋まっており、一般利用客が駐車に苦労する場面も見られた。

コンビニで事態を見守っていた同じアパートの住人から話を聞くことができた。

「部屋にいたら突然警察が来て、事件が起きているのでここを離れてくださいと言われて警察の人と部屋から出ました。当時、パトカーのサイレン音や外が騒がしい様子もなかったので、避難するように言われるまでこんなことが起きていたなんて全く思いませんでした。外に出て初めて警察や消防の数にビックリしました。解決するまで帰れないので困りました」

と驚きながら話していた。

千葉県警は立てこもり事件などを専門に扱う刑事部捜査一課所属の突入救助班、通称ART(Assault and Rescue Team)を現場に展開させ、和田容疑者への説得を行うと同時に、突入に向けた準備を行っていた。この部隊は警視庁SITと同様の任務を主としている。

彼らはアサルトスーツに身を包み、ゴーグルやヘルメット、そして防刃ネックアーマー等を着用し、アパート周辺を行き来していた。手にはガラスを割るためのバールのような工具やハンマー、ドアをこじ開ける機械などを装備していた。

◆「降参します」

こう着状態が続く中、13時30分頃、扉を開けて出てきたところをその場で逮捕された。その際、和田容疑者は「降参します」などと警察官に話したという。

アパート前には捜査員や消防隊員らがブルーシートを張り、人質となっていた母親と妹が近くで待機していた救急車まで誘導され、ケガの有無を確認していた。2人ともケガ等なく無事であることが警察発表により判明している。

その後、和田容疑者が手錠をかけられてアパートから捜査員らに連行され、覆面パトカーに乗せられて船橋警察署へと連行された。

連行後、現場では母親と妹が立ち会いの下、アパートで現場検証が始まり、鑑識活動等も行われた。現場検証後、15時には規制が解除され、周辺は元の静けさを取り戻した。

取材・文・PHOTO:有村拓真

FRIDAYデジタル



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