ハーバード大の留学生受け入れ資格停止、中国が批判 米国のイメージ「傷つける」


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中国外務省の報道官は23日、「中国は教育分野での協力を政治問題化することに一貫して反対してきた」と主張。今回の米政権の動きは「世界における米国自体のイメージと評価を傷つけるだけだろう」と付け加えた。

中国のSNSのコメンテーターも、一部がこれに同調している。X(旧ツイッター)に相当するプラットフォーム「微博(ウェイボー)」に寄せられた「(米国が)自国の強みを自分たちで破壊しているのを見るのは笑える」とのコメントには数百の「いいね」が付いた。

別のユーザーもハーバード大のニュースと関連付けた投稿で「トランプがまた助けに来てくれた」とコメント。留学生を集めることは「トップの才能を引きつける主要な方法」だと主張し、「この道を断ち切った後もなお、ハーバード大は今までと同じハーバード大でいられるだろうか?」と問いかけた。

今回の留学生の受け入れ資格停止は、単なる一大学と米大統領の確執ではなく、米中という二大超大国の間の亀裂がさらに拡大したことを示す最新事例に他ならない。

長年にわたり、中国は他のどの国よりも多くの留学生を米国に送り込んできた。そうした教育分野での深いつながりが、地政学的対立の増大によって見直されようとしている。米中はこれまでも、貿易やハイテク産業で激しい競争を繰り広げている。

米国土安全保障省(DHS)のノーム長官は22日の声明で、「現政権はハーバード大学に対し、大学構内での暴力の助長や反ユダヤ主義、中国共産党との連携に関する責任を追求する」と述べた。

DHSの声明には、同大と中国の機関もしくは個人とのつながりにまつわる主張が含まれる。これらの機関と個人については、軍事関連の研究や人権侵害の疑いでトランプ政権がブラックリストに載せている組織との結びつきが示唆される。

ハーバード大学に対しては今週、超党派の米議員らが「外国の敵対勢力と提携している」との疑惑について情報を求める書簡を送っていた。DHSの声明はこの書簡についての情報とも関連している。

上記の提携の疑惑に関して、ハーバード大学はCNNからのコメント要請に返答していない。同大はウェブサイト上の声明で、外国からの留学生受け入れ資格の維持に尽力する考えを強調。これらの留学生は140以上の国々から訪れ、同大と米国の価値を高めていると主張した。

米国務省が支援する留学生登録データベースによると、米国における外国人留学生は2009年以降15年連続で中国出身者が最多だったが、昨年インドがこれに取って代わった。

23~24学年度には27万7000人以上の中国人留学生が米国で学んだが、その数はピークだった19~20年度の37万2000人強から減少している。この間には新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が発生したが、米中両政府の対立が激化した時期とも重なる。

一方の中国でも、民族主義的な感情の高まりや政府による国家安全保障の強調によって、米国の大学の価値に関する認識に変化が生じたとみられる。



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