今期の連ドラでNo.1の出来と業界で言われているのが、米倉涼子(49)主演の「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(NHK総合)だ。もっとも、視聴率は4%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と低空飛行が続いている。それでもNo.1になるべくしてなったワケとは。
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外国で亡くなった方の遺体を国境を越えて遺族に送り届ける国際霊柩送還士を描いたドラマが「エンジェルフライト」だ。
5月3日に放送された第1話は、フィリピン・マニラのスラム街を空からなめるような映像でスタート。2023年7月期に大ヒットした日曜劇場「VIVANT」(TBS)の砂漠のシーンを彷彿させる映像だ。そこで日本人がギャングの抗争に巻き込まれて亡くなるシーンから始まった。画面は日本に切り替わり、国際霊柩送還社「エンジェルハート」の新入社員・高木凛子(松本穂香)が会社に向かうところに社長の伊沢那美(米倉)が後ろからズカズカと追いかけてくる。「遅いだろー、高木凛子! 新人は一番に来て雑巾がけしとけって言ってんだろ!」と松本に蹴りを入れる。そのキャラは「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」(テレビ朝日)そのまんまだ。民放プロデューサーは言う。
「出だしは確かにそうでした。ただ、生身の人間を相手にした大門とは違い遺体と遺族を相手にしたときの伊沢はキャラも誠実な人に変わります。そのあたりはこれまでの米倉の役作りとは異なりますね」
米倉の演技が今期No.1ドラマの理由だろうか。
キャストとスタッフ、ロケまで豪華
「それだけではありません。共演者は松本のほか遠藤憲一、城田優、向井理と、民放ゴールデン・プライム帯の連ドラ主演経験者が揃い、数字を持っていると言われる元AKB48の野呂佳代もいる。レギュラー出演者のギャラだけで、米倉の推定1本500万円を筆頭に総額1500万円は下らないでしょう。さらに初回、マニラで客死した日本人には歌手・きゃりーぱみゅぱみゅの夫で若手人気俳優の葉山奨之、その父親役には杉本哲太、母親役には麻生祐未と見応えのある役者陣を揃えました。第2話以降のゲストも豪華です」
豪華なのは出演者だけではない。
「脚本は映画『ALWAYS 三丁目の夕日』やフジテレビの『リーガル・ハイ』『コンフィデンスマンJP』シリーズ、NHKの大河『どうする家康』などで知られるベテランの古沢良太さん。監督の堀切園健太郎さんは大河『篤姫』や朝ドラ『ちゅらさん』を手がけるなど、スタッフも実力者が揃っています」
さらに……
「客死した日本人の遺体が現地で消えたことから、米倉と松本が遺体を取り戻しにマニラに向かいます。民放ならマニラのシーンは実景だけで日本でセットとエキストラを使って撮影を済ませることが多いのですが、あの迫真の絵面(えづら)を見る限り、本当に現地に行っているようです」
一話完結の連ドラでいちいち海外に飛んでいたら、それだけでもお金がかかる。
「飛行機の機影を10秒くらい入れて航空会社とタイアップするという民放がよく使う手もNHKだからできないわけです。第3話はソウル、第6話はボリビアの設定ですが、第1話がフィリピンでのロケだったことをNHKは公式Xで明かしています。それ以外では海外ロケは行っていないのかもしれませんが、プロから見て1本当たりの制作費は1億円は下らないでしょう」
1本1億円!?