(CNN) ロシアはウクライナの首都キーウに大規模攻撃を仕掛け、ウクライナ各地で少なくとも13人が死亡した。一方でロシアとウクライナは、ロシアによるウクライナ侵攻後で最大規模となる捕虜交換を実施しており、2日目も追加で数百人が解放された。
当局によると、過去24時間で東部ドネツク州で少なくとも4人が死亡した。南部ヘルソン州とオデーサ州で5人、北部ハルキウ州で4人が死亡したという。
ウクライナ空軍によると、ロシアは弾道ミサイル14発と攻撃型ドローン(無人機)250機を発射し、主要な標的は首都キーウだった。防空部隊はミサイル6発とドローン245機を撃墜したが、飛翔(ひしょう)体はドニプロ、オデーサ、ハルキウなど各地に着弾した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は通信アプリ「テレグラム」で「ウクライナ全土にとって厳しい夜だった」と述べ、負傷者の家族らに哀悼の意を示した。
警察によると、24日未明の大規模なドローンとミサイルによる攻撃で、キーウでは少なくとも18人が負傷した。キーウ市のクリチコ市長によれば、攻撃で火災が発生したほか、市内にはがれきが散乱し、複数の住宅が損壊した。
キーウ市全域で爆発音と大きなサイレンが響き渡り、夜空にはいくつもの火災が確認された。
この夜間攻撃の前には、ロシアとウクライナが戦争開始以来最大規模となる捕虜交換の第1段階を完了していた。
合意された捕虜交換の第2段階として、24日にはロシア軍とウクライナ軍の兵士計600人余りが解放された。ウクライナ当局が公開した映像には、丸刈りにされた兵士らがウクライナ国旗を肩に掛け、抱き合いながら家族に電話する姿が映っている。
交換の第1段階となる23日には、ほぼ800人が解放された。
双方それぞれ1000人の捕虜を解放することで合意したことが、先週トルコで行われたウクライナとロシアのよる協議の唯一の成果だった。ロシアが2022年2月にウクライナへ全面侵攻して以降、両国が直接会談するのはこの時が初めてだった。
ロシアによる捕虜交換で夫のユーリーさんが半年間の拘束から解放されたオレナさんは、24日に待望の再会を果たした。国防省が投稿した動画には、オレナさんが夫を探して走り、見つけると強く抱き締める様子が収められている。
「今日は最高の日。私は彼を探して走り回り、叫んでいた。本当に感謝している」とオレナさんは語った。
一方、ロシア国防省は、主にベルゴロド州とブリャンスク州上空でウクライナの無人機94機を撃墜したと主張した。さらにクルスク州やリペツク州などでもUAVを撃墜したとしている。