70年代に清純派として人気を集め、多くのドラマ、映画で活躍した俳優・仁科亜季子さん。芸能一家で育った仁科さんだったが、これまでの人生は実に波乱万丈ともいえる。特に90年代以降は4回もの大病に見舞われたにもかかわらず、その都度試練を乗り越えてきた。そんな体験を経て、なお現在も現役で活躍し続ける仁科さんのCHANGEとは──。【第4回/全4回】
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仁科さんのこれまでの人生は”大病”との戦いでもあった。
最初は1991年、38歳の時に発覚した子宮頸がん。
「もともと体はそんなに強い方ではありませんでしたけど、まさか自分が“がん”になるとは思いもしなかったです。家族でも祖母が乳がんに罹った以外に他は誰もいなくて。最初にお医者様に告げられた時は受け入れらなくて、悲しいのか辛いのか怖いのか自分でもよく判らなくて、ただひたすら涙が出てきたんです。自動車の中で3時間ぐらい泣きっぱなしでした」
次は胃がん。1999年の時であった。
「それが本格的に仕事を再開すると言っていた46歳の時のことだったんですけど、結局復帰は1年延びて47歳になりました。以前からSMTといって胃粘膜下腫瘍というほとんどが良性といわれる腫瘍があったので、芸能界に復帰することが決まった時に、一度診てもらったんです。そしたら、その腫瘍が大きくなっていて、これ以上大きくなったら食事もできなくなると言われたんです。手術で切除することになったんですが、取ったものを直ぐに細胞検査したら悪性ということが判明して、胃の3分の1と脾臓を取ることに。麻酔が切れて意識が戻った時に初めて聞かされたんですが、“は? どういうこと”って(笑)。それで食事の量も減ってしまい、一時は体重が37キロを切ったこともありましたね」
そして、55歳の時には小腸がん。胃がんの手術以降、定期的に検査を受けていた中での発見だった。
「正直、“もう何なの!? ”とは思いましたよね」
更には、61歳の時に大腸がんに罹患。
「またかって(笑)。もうね、60歳も過ぎていたので面倒くさいなって感じでした。どうして私ばっかりって。手術が終わって集中治療室に運ばれた時に、病室の白い天井に向かって“神様、いい加減にしてくれませんか?”って本気で思ったくらいでしたね」