アメリカのトランプ大統領が、外国人留学生の受け入れ資格の剥奪を巡り、ハーバード大学をソーシャルメディアで強く批判した。
トランプ氏は25日、「なぜハーバードは、学生の約31%が外国の出身だと言わないのか? 中にはアメリカにまったく友好的ではなく、学生の教育費を払わず、払うつもりがない国もあるのに。そんなこと、誰も我々に教えてくれなかった!」と、トゥルース・ソーシャルに投稿した。
トランプ氏は「誰も教えてくれなかった」と書いているが、ハーバード大学は約7000人(全体の27%)の留学生がいることをウェブサイトで公表している。また、留学生は通常アメリカ市民の学生よりも高い学費を支払う。
トランプ氏は、「我々はその留学生が誰なのかを知りたい。ハーバードに何十億ドルも提供しているのだから当然の要求だ。しかし、ハーバードはその情報を公開しようとしない」とも述べている。
「我々は名前と国籍を知りたい。ハーバードには5200万ドルもあるのだから、それを使えばいい。連邦政府にさらなる助成金を求めるのはやめるべきだ!」
5200万ドルというのは、ハーバードへの寄付金約520億ドルを誤って記載した金額と思われる。
ハーバード大学とトランプ政権のバトルは法廷へ
トランプ政権は4月、ハーバード大学にDEI(多様性、公平性、包括性)プログラムの廃止などを求める書簡を送ったが、同大学はこの要求を拒否した。
これを受け、政権側は同大学の助成金を凍結すると発表。さら国土安全保障省は5月22日、ハーバード大学の外国人留学生受け入れ資格を剥奪した。
同省は声明で、ハーバードはユダヤ人学生にとって安全ではないキャンパス環境を作り出しているほか、「中国共産党と協力している」と主張している。
この決定により、ハーバードは新規留学生の受け入れができなくなり、数千人の在校生は他大学への転校か国外移動を余儀なくされる。
同大学は「この報復的な措置はハーバードコミュニティと我が国に深刻な損害をもたらし、ハーバードの学問や研究の使命を損なう」という非難の声明を出し、訴訟を起こした。
ボストンの連邦地方裁判所は23日、トランプ政権によるハーバード大学の留学生受け入れ資格剥奪を一時差し止める決定をした。
ハーバードは訴状で、政府の措置は違憲であり、「大学と7000人以上のビザ保有者に即時かつ壊滅的な影響を与える」と訴えている。