【シドニー時事】中国の肖千駐オーストラリア大使は25日付の談話で、中国企業に長期間貸与されている北部準州の拠点港湾ダーウィン港の買い戻しを豪政府が検討していることに反対すると表明した。
肖氏は「不採算の時期に貸与し、利益が出るようになってから買い戻すというのは倫理的に疑問がある」と非難した。
準州当局は2015年、ダーウィン港を中国企業「嵐橋集団(ランドブリッジ)」に99年間リースする契約を締結した。しかし、今年2月に中国海軍艦艇が豪東部沖で実弾射撃訓練を行ったことを受け、アルバニージー首相は4月に「港を豪州の手に戻すべきだ」との考えを示した。豪政府は、自国企業による買収を模索し、買い手が付かない場合は直接介入する構えだ。
これに対し肖氏は「リース契約は豪国内法に基づく入札で決定した」として、貸与を継続するべきだと主張。「嵐橋集団は過去10年間で港湾の収支を赤字から黒字に転換させ、地元経済に貢献してきた。この経営を奨励すべきで、罰を与えるべきではない」と訴えた。