強硬なトランプ関税に、世界から反発が広がっています。25日、アメリカとの3回目の関税協議を終えた赤沢亮正経済再生担当大臣が帰国しました。来月にカナダで行われる予定の日米首脳会談で決着するのでしょうか?
■トランプ大統領 EUに関税50%と脅し
25日、アメリカとの3回目の関税交渉を終え羽田に戻ってきた赤沢大臣。今回、関税交渉のまとめ役であるベッセント米財務長官は不在でしたが、交渉はうまくいったのでしょうか?
赤沢大臣
「すべてが合意された時に初めて合意が成立する。パッケージで成り立つということですね」
交渉の詳細については明らかにしませんでした。
トランプ大統領(23日)
「彼ら(EU)の動きは本当に遅い」
関税を人質にした通商交渉が進まず、いらだつトランプ大統領は、報復関税を辞さず強硬な態度を見せているEUに対し、50%の関税を課すと脅しています。
■進まぬ交渉 トランプ大統領も焦り?
アメリカに報復関税で応戦し、一歩も引かなかった中国の成功を受け、韓国メディアはこう報じています。
中央日報(24日)
「中国が強硬な交渉戦術で米国を相手に一時的に有利な合意を引き出したなか、これに注目していた主要国が米国との交渉戦略を修正する動きを見せている」
トランプ大統領も焦っているのでしょうか?23日、赤沢大臣のXにはこんな投稿がありました。
赤沢大臣のXから
「米国に向かっています。空の上にいると何か起こること多し」
石破茂総理大臣とトランプ大統領が赤沢大臣の頭越しに電話会談したニュースを機内で知り、投稿したとみられます。突然の電話会談はトランプ大統領の意向で行われ、赤沢大臣も知らされていなかったようです。
■来月カナダでG7 日米首脳会談で協議を
アメリカとの関税交渉に向けて、日本も手札をそろえるべく動き出しています。
25日、京都府にある大手の造船会社を訪れた石破総理は次のように述べました。
「日米の協力にあたっては、砕氷船が1つのポイントになってくる」
「砕氷船」とは、氷を割りながら進むことができる船です。トランプ大統領は北極圏にあるグリーンランドに関心を持っていますが、日本は造船技術で協力し、交渉を進めたい考えです。
帰国した赤沢大臣は25日、総理公邸で石破総理に交渉の結果を報告しました。30日に4度目の交渉に臨む予定です。トランプ大統領から電話で探りを入れられた石破総理は、次のように述べました。
「G7サミットというものを一つ念頭に置きながら、今後さらに議論をつめていくことになる」
来月中旬にカナダで行われるG7。ここでトランプ大統領と首脳会談で協議に臨み、議論を進めたい意向です。
(「グッド!モーニング」2025年5月26日放送分より)
テレビ朝日