自民党の小野寺五典政調会長は28日、トルコの少数民族クルド人の一部と地元住民の摩擦が表面化している埼玉県川口市を視察した。コンビニエンスストアやごみ収集所を回り、迷惑行為などの実態を聞き取った。小野寺氏は「秩序が共生の前提だ。秩序を維持できない外国人と共生するつもりはない」と強調し、自らトップを務める党の特命委員会で政府への提言をまとめる考えを示した。
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同市では令和5年7月、クルド人同士の殺人未遂事件を発端にクルド人約100人が市立総合病院前に集まり、県警機動隊が出動した騒ぎをきっかけに問題が表面化した。日常的に住宅密集地での過積載トラックや改造車の暴走行為が問題となっている。
小野寺氏はまず、クルド人の「たまり場」となっている市内のコンビニを訪れた。コンビニ関係者によると、クルド人らはほぼ毎日、店の前にたむろする。乗りつけた車から大音量の音楽を流し、たばこのポイ捨ても目立つ。
客足にも影響が出ており、店員が注意すると、後ろに手を回し、顔を近づけて「私が何をしたんだ」と威嚇されたこともある。警察が駆けつける場合もあるが「集まって騒いでいるだけでは」と注意する以上の対応は難しいという。
近くにクルド人が多く住むというごみ収集所では、歩道をふさぐほどごみ袋があふれ、テレビなどが不法投棄されていた。
小野寺氏は市役所で奥ノ木信夫市長や市議らと意見交換した後、記者団に「国会で議論している以上に現実には大きな問題がある。市だけではとても対応できない。国の制度に問題がある」と述べた。
出入国在留管理庁によると昨年末時点で、難民認定申請中であることを理由に入管施設への収容を一時的に解かれた不法滞在状態の仮放免者は2448人で、国籍別ではトルコが最多の579人に上る。多くは同市に住むクルド人とみられる。
同市を含む衆院埼玉2区選出で視察に同行した新藤義孝政調会長代行は「仮放免中で就労できないクルド人が解体業などで働いている。送還の実効性を上げるとともに、難民を装った出稼ぎ目的の来日を防ぐ仕組みが必要だ」と訴えた。
(小沢慶太)