NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は25日に第20回「寝惚けて候」が放送され、幕府パートでは、暗躍していた一橋治済(生田斗真)の陰謀によって江戸城西の丸から政敵が一気に追放され、後継男子がいなくなった10代将軍・徳川家治(眞島秀和)の養子として、一橋家嫡男・豊千代(後の11代将軍家斉)が西の丸に入った。
治済に教唆された田沼意次(渡辺謙)が、大奥総取締・高岳(冨永愛)に「正直なところ、大奥としてはどちらが良い?」と聞き…。
一橋家の御三卿ライバルで、次期将軍正室になるはずだった田安家の種姫が紀州に嫁がされ、田安家の母宝蓮院(花總まり)が「田沼、いつか天罰が下ろうぞ」と呪った。
先立って鷹狩の手袋に毒を塗られて暗殺された将軍家治の嫡男・家基(奥智哉)の母知保の方(高梨臨)も、田沼と過度に対立して、西の丸から追放された。
田沼と高岳の思惑によって進んだともとれるが…。知保の方(高梨臨)と宝蓮院(花總まり)は、もともとは知保の方につかえていた侍女大崎(映美くらら)に「田沼の陰謀」と虚偽を吹き込まれて、これを信じて反発したことで追放された。
振り返れば第2話で、一橋家で豊千代が誕生した祝いの宴席が描かれていた場面。生まれた豊千代を抱いていた女性は、一橋正室ではなく「大崎」だった。正体は一橋家の乳母。
やがて西の丸で知保の方の近くに現れ、虚偽を耳打ち。知保の方の服毒狂言を手伝って、まずは家治に新しい側室との間に実子を作ることを諦めさせた。
「毒に詳しい」とされ…家基暗殺事件を調べていた老中首座・松平武元(石坂浩二)も「女」に暗殺され、証拠の手袋が盗まれた。
一橋家にとっての邪魔者を全員排除し、自分が育てた豊千代を、次期将軍として西の丸に迎え入れた。
まもなく将軍の乳母として、「春日局」のように大奥を支配することが予想される。
注目は、田沼からもらった葡萄酒を飲みながら、余裕の表情で知保の方(高梨臨)らの追放を実行した高岳。これまで黒幕のように怪しく描かれたのはミスリードだったのか。
大奥の権力バランスが崩れ、本当の黒幕・大崎に消されることが懸念される。一方で一橋家の乳母が、密かに将軍正室の侍女になっていたことから、高岳と大崎がグルとの見方もある。