カプコンの『ストリートファイターII』や、セガの『バーチャファイター』などの対戦格闘ゲームが大ヒットした1990年代を「格ゲーブーム」と振り返る人は多い。『週刊少年ジャンプ』(集英社)の人気漫画を原作にした格闘ゲームも当時多く発売され、漫画好きのちびっ子や歴戦の格闘ゲーマーが熱中したものだ。
■【画像6枚】「鬼のように強かった」16号の姿も…『ドラゴンボールZ 超武闘伝』プレイ画面■
そんな『ジャンプ』漫画の格ゲーでは、原作と比べて異様に強すぎるキャラがいることも珍しくなかった。好きな漫画の格ゲーを遊んで「なんでコイツが強いんだ!?」と驚いた覚えがある人もいるのではないだろうか。
今回は、『ジャンプ』名作マンガの格ゲーでまさかの大暴れを見せた「意外なキャラ」を振り返ってみよう。
■ラジオ体操みたいな動きでセルに対抗!『ドラゴンボールZ 超武闘伝』人造人間16号
ジャンプバトル漫画の金字塔『ドラゴンボール』(鳥山明さん原作)の格闘ゲームは数多いが、意外なキャラが強かった作品ならば、1993年発売のスーパーファミコン用ソフト『ドラゴンボールZ 超武闘伝』(バンダイ)が挙げられる。
「ピッコロ大魔王編」の第23回天下一武道会決勝戦から「人造人間・セル編」までのキャラクターが登場する本作では、孫悟空やP(パーフェクト)セル(セル完全体)など、原作でも強いキャラが性能面でも強い傾向にあった。特に、ガードしてもライフを削りまくる「パーフェクトアタック」を使うセルは、鬼のように強い。
その順当な勢力図に風穴を開けたのが、人造人間16号だ。原作でも決して弱くはなかった16号だが、それでもセル完全体には手も足も出ず、最後は体をバラバラに吹き飛ばされたうえで顔を踏みつぶされ悲惨な死を遂げた。
しかし『超武闘伝』では、むしろセルに真っ向から対抗できた貴重なキャラだった。無敵時間の長さが持ち味の「クロスガード・ボンバー」で無類の強さを誇り、セルの強さを支える「パーフェクトアタック」にもカウンターを取れるチート性能だった。
ちなみに「クロスガード・ボンバー」は、中腰になりながら両腕を広げるという、ちょっとおかしいポーズをとることでも有名だ。遊んだ人には「ラジオ体操」で通じるほど印象的なポーズなのだが、並みいるZ戦士をなぎ倒すのがラジオ体操の動きというのも、笑える話である。