住んだ瞬間に資産価値が3割減!?…「損する戸建」と「価値が残る戸建」の決定的な違いとは?


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● 戸建住宅で生活する メリットとデメリット

 マンションのメリット・デメリットと戸建のメリット・デメリットを比較のうえで、自分にとってどちらを選ぶのがベストかをよく考える必要があります。

 戸建には、マンションにはないさまざまなメリットがあります。何でも住民同士で話し合って決めなければならないマンションと違い、我が家の管理や修繕の計画を自分だけで全部決められるのは、戸建のメリットと言っていいでしょう。

 もちろん、相応の知識や計画性は求められますし、手間もかかります。それに、複数人で資産を共有しているマンションと違ってスケールメリットが働かないので、修繕のコスト負担も高くなりがちです。

 それでも、他人の意見に翻弄(ほんろう)されて、ときに損する恐れすらあるマンションに比べると、自分の資産の問題を他人にゆだねることなく、自分で考えたい人にとっては戸建がベターです。

 戸建は建物が独立しているため、周囲に音が響くことをそこまで気にする必要がなく、騒音トラブルに巻き込まれづらいのもメリット。駐車場代がかからないことや、外観・内装に好きなように手を加えやすいこと、ペットを飼いやすい点に魅力を感じる人も多いでしょう。

 エリアによって一部例外はあるものの、基本的には戸建のほうがマンションより人付き合いの必然性が低いため、隣近所と密にコミュニケーションをとることなく、気楽に暮らしたい人にも向いています。

● 人が住んだ瞬間から 資産価値が3割下がる!?

 マンションは人間関係が希薄だと思われがちですが、分譲マンションでは管理組合の総会や防災訓練などで、住民同士が顔を合わせる機会が意外とあります。むしろ、住民同士のかかわりが深く、活気があるほうがいいマンションと言えるため、近所付き合いが皆無の場合、住民が管理に無関心な人ばかりの危険なマンションかもしれません。

 前述のメリットの一方で、戸建には“資産性が低下しやすい”という決定的なデメリットがあります。

 土地に関していうと、都心3区・5区などのごく限られたエリアを除き、戸建が立ち並ぶ駅から離れた住宅街は、今後地価が下がる可能性が濃厚です。

 土地の問題に加えて、建物の劣化の問題もあります。鉄筋コンクリート造のマンションは堅牢な造りになっており、適切な修繕をしていれば長く住み続けられて、資産価値も低下しにくいもの。それどころか、新築分譲時よりも値上がりする物件も多くなっています。

 これに対し、木造の戸建は鉄筋コンクリート造よりも耐用年数が短く、資産価値が低下するスピードも速いです。木造の建物の法定耐用年数は22年。マンションと同じく、法定耐用年数=建物の寿命ではないものの、適切な修繕をしていなければ30〜40年でボロボロになり、大規模なリフォームや建て替えを余儀なくされます。

 これが鉄骨造や鉄筋コンクリート造の戸建であれば、耐用年数はもう少し長くなります。

 ただ、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物は手掛けている施工会社がそれほど多くはなく、コストが高くなる場合もあるため、いまだに戸建は木造が大半を占めます。



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