【ワシントン共同】トランプ米政権で政府の歳出削減を進める新組織「政府効率化省」を事実上率いた実業家のイーロン・マスク氏(53)は28日、X(旧ツイッター)で政権からの離脱を表明した。「陰の大統領」と呼ばれるほど影響力を強めたが、強引な手法に批判が噴出。最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラの不買運動を招き、政治から距離を置く意向を示していた。
マスク氏は期間限定の「特別政府職員」の立場で、任期が期限を迎えたと説明。「無駄な支出を削減する期間を与えてくれたトランプ大統領に感謝したい」と書き込んだ。ホワイトハウス関係者は共同通信の取材に、マスク氏の政権離脱を認めた。今後もXなどでの発信を通じて一定の影響力を残す可能性がある。
マスク氏は昨年の大統領選で多額の献金をしてトランプ氏の返り咲きを支えた。第2次政権発足後は効率化省を主導する立場に就任し、トランプ氏との蜜月関係を誇示して国益に一致しないと判断した事業を次々に凍結。国際開発局や教育省は事実上の解体に追い込まれた。