アメリカのトランプ前大統領は5月28日、ウォール街で広まりつつある言葉を耳にして苛立ちを露わにした。
【動画】「TACO」という言葉について聞かれ、苛立つトランプ大統領
それは「TACO(タコ)」という言葉だ。
これは「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもおじけづく)」の略語で、大規模な関税を発表して株価を下落させた後に、方針を撤回して株価が再び上昇するというトランプ氏の行動パターンを指している。
中には「TACO取引」を利用して、大金を儲ける方法を見つけたと話す投資家もいる。
ホワイトハウスで28日に開かれた記者会見で、記者の一人がこの言葉に触れて「ウォール街のアナリストたちが『TACO取引』という新たな言葉を作りました。彼らは『Trump Always Chickens Out(トランプはいつもおじけづく)』、だから今週は市場が上昇していると言っています。それについてどうお考えですか?」と尋ねた。
トランプ氏はTACOという言葉を知らなかったようで、「私がおじけづいているだって?そんなの聞いたことない」と答え、取り留めもなく発言を続けた。
「中国に対して145%と言ったのを100に下げて、さらに別の数字にしたから? それで『国全体を開放しろ』って言って、 私はEUに50%の関税をかけて、彼らは電話してきて、『お願いだ今すぐ会いましょう、頼む今すぐ会いましょう』って言ってきたから……それを“おじけづく”って言うのですか?」
トランプ氏が言及したのは、EUからの輸入品に50%の関税を課すと発表し、その数日後に撤回して市場に混乱を引き起こした件だ。
トランプ氏は発言でバイデン政権を批判し「この国は死にかけていたんだ。でも今は世界のどこよりホットな国になってる」とも主張した。
「サウジアラビアに行った時、国王がこう言いましたよ――『君たちは…』って。今、我々の国は世界一ホットな国です。6カ月前は、完全に冷えきって死んだ国でした。誰もこの国が生き延びると思ってなかった。それなのにそんな意地の悪い質問をするのですか?」
トランプ氏は関税を使った脅しを「交渉」と擁護。アメリカは「中国に非常に親切にしてきた。我々は中国を助けてきた」と主張した。
また、過去に何度もしてきたように、質問した記者を攻撃して不満を露わにした。
「しかし、今言ったことは二度と言わないように。意地の悪い質問だ。私にとっては、最もひどい質問だ」