【AFP=時事】スイス南部バレー州で一つの村をほぼ壊滅させた氷河の大規模崩落で、当局は29日、行方不明となっている男性(64)の捜索を打ち切ったと発表した。崩落によって生じた岩や氷の堆積物により、捜索活動が困難だとしている。
レッチェンタール渓谷に位置するビルヒ氷河は28日午後3時30分ごろに崩落し、300人が住むブラッテン村の大部分が壊滅した。住民は先週の段階で避難していた。
現在は約2キロにわたって大量の堆積物が、ロンザ川をせき止めている。
当初は堆積物の上流に閉じ込められた水による洪水の可能性が警告されていたが、専門家による分析の結果、その危険性は少ないと当局は発表した。
渓谷の景観は劇的に変わり、ビルヒ氷河があった場所では山肌に大きな穴が開いている。ブラッテン村の残る部分もロンザ川の増水により水没しつつある。
当局によると、300万立方メートルの岩石が突然、氷河の上に崩れ落ち、それによって氷河が谷へ押し出された。
ユーチューブに投稿された動画には、大量の氷とがれきが山の斜面から谷へ一気になだれ込み、その勢いで反対側の山腹にまで達する様子が映っていた。【翻訳編集】 AFPBB News