値上げ抗議で死者140人超か ガソリン政策でイラン苦悩

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 【カイロ=佐藤貴生】イランでガソリンの値上げを機に起きた反政府デモで、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは25日、治安部隊の発砲などにより少なくとも143人が死亡したと発表した。4000人近くが逮捕されたとの情報もある。イランは多額の補助金を出してガソリンを安価で供給し、国民の不満を抑えてきたが、トランプ米政権の制裁再開で経済が悪化し、“聖域”に手をつけざるを得なくなった可能性もありそうだ。

 「イランは歴史的試練に再び打ち勝ち、敵に利益を与えなかった」。ロウハニ大統領は20日、こう述べて反政府デモの終息を宣言。発言からは「敵」である米国やイスラエルがデモを扇動したとの主張がにじむ。

 ロイター通信によると、イラン政府は15日、ガソリン1リットルの価格を50%引き上げ、1万5千リアル(実勢レートで約13・8円)にすると表明。これを機に起きた反政府デモは100以上の町に拡大したといわれる。

 アムネスティによると、狙撃手が政府庁舎の屋上からデモ参加者に発砲するといった映像が確認された。デモが大規模な反体制運動につながることを指導部が懸念した可能性がある。

 米政権は再開した制裁で、イランの国庫収入を支える石油輸出を全面的に禁止。石油売却益は来年度の予算の1割前後にとどまるとの観測もある。制裁緩和の見通しはなく、経済の悪化が加速する見通しだ。

 イラクやレバノンなど周辺国のシーア派民兵組織を強化し、米国やイスラエルの本土攻撃を回避するのがイランの安全保障戦略の根幹だが、デモ参加者からはそうした政府の方針への非難も出た。経済低迷の深刻化で周辺のシーア派勢力への資金供給が滞るようなら、イランが描く安保戦略にも支障が出そうだ。

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