【ニューヨーク=本間英士】トランプ米政権は30日、米東部の名門ハーバード大に関連するビザ(査証)申請について、追加審査の実施を各国の米大使館に指示した。ロイター通信が報じた。学生ビザだけではなく、幅広い種類のビザ発給を厳格化することで、ハーバード大に対する圧力を強めることが狙いとみられる。
ロイターが独自入手した公電によると、追加審査の対象は「いかなる目的であれ、ハーバード大への渡航を希望する非移民ビザ申請者」。非移民ビザは留学や仕事など一時的な滞在を目的にしたもので、学生や教員、契約業者、旅行者らも対象に含まれる。
追加審査の理由については、ハーバード大が「暴力や反ユダヤ主義のないキャンパス環境の維持に失敗したため」と主張。実施により、暴力行為や「反ユダヤ的な嫌がらせ」を行った過去を持つ申請者を米大使館が特定できるとしている。
一方、トランプ大統領は30日、ハーバード大について記者団に言及し、「優秀な留学生は歓迎するが、問題を起こす留学生は望んでいない。(大学の)対応は適切ではなく、大物ぶっているだけだ」と改めて非難した。