目の健康を守るために、食生活において気をつけるべきポイントはなんだろうか。専門医が、目に良い栄養素を多く含んでいる身近な野菜やフルーツを紹介する。そして意外にも、あの「おやつ」や「飲み物」にも目に優れたある効果が見られることが明らかになった。※本稿は、真鍋佑介『一生目が見える人のすごい習慣』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。
● 目の健康を守る強い味方 緑黄色野菜のチカラ
緑黄色野菜とは、厚生労働省によって「原則として可食部100g当たりβカロテン含量が600μg(マイクログラム)以上の野菜」と定義されています。βカロテンだけでなく、目の健康維持に役立つ様々な栄養素を豊富に含んでいるのが特徴です。
「緑黄色野菜の王様」とも称されるケールは、栄養価の高さで知られるスーパーフードです。特に、目の健康に重要な「ルテイン」の含有量が、他の野菜と比べて圧倒的に多いのが特徴です。ケール100gには、なんと21.9mgものルテインが含まれています。もちろんβカロテン、ビタミンC、ビタミンEなど、目の健康に欠かせない栄養素も豊富に含まれています。
ブロッコリーは、ビタミンCやβカロテン、食物繊維などが豊富に含まれ、健康野菜として広く知られています。近年、ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」という成分が、目の健康維持に効果的であることがわかってきました。
スルフォラファンは、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれるイオウ化合物の一種で、強力な抗酸化作用と抗炎症作用を持っています。このスルフォラファンが、目の老化や眼疾患の原因となる酸化ストレスや炎症を抑制してくれます。
ルテインやゼアキサンチンも含まれており、これらの成分との相乗効果によって、目の健康を強力にサポートしてくれます。
ほうれん草は、ルテインとゼアキサンチンを豊富に含む、代表的な緑黄色野菜です。カロテノイド以外にも、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、マグネシウム、鉄分、葉酸など、様々な栄養素がバランス良く含まれています。鉄分は目の細胞に酸素を運ぶヘモグロビンの材料となるため、目の健康維持に欠かせません。
にんじんは、βカロテンを豊富に含むことで知られています。βカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される「プロビタミンA」の一種です。ビタミンAは、目の網膜にある視細胞の働きを正常に保つために欠かせない栄養素であり、特に、暗い場所でものを見るために必要な「ロドプシン」という物質の合成に関与しています。
● フルーツはビタミンたっぷり そのまま食べて栄養補給
目に良いフルーツとして思い浮かぶのはブルーベリーという人が多いのではないでしょうか。たしかにブルーベリーにはアントシアニンというポリフェノールが豊富ですが、これよりもおすすめしたいフルーツがあります。
まず挙げるのは「キウイフルーツ」です。フルーツの中でもキウイ1個には約70mgとビタミンCが多く含まれます。加えてルテインも含まれるのですが、野菜由来のものよりも吸収率が3倍程度とされています。食物繊維やビタミンE、K、葉酸、カリウム、鉄、銅といったミネラルも含まれ、非常に栄養価が高いです。