澳門海關(マカオ税関)は5月30日、いわゆる運び屋による密輸行為をターゲットにITを用いるなど水際対策の強化を講じて臨む中、同月17日から29日までの13日間にマカオと中国本土との間の主要な陸路の玄関口にあたる關閘及び青茂イミグレーション施設で着衣の下や越境自家用車内に隠す手口による密輸事案を5件摘発したと発表。
発見に至った密輸品の内訳は、中古スマートフォン78台、中古CPU60個、未検疫食材(海産物10キログラム、豚肉8.2キログラム、鶏肉3.4キログラム)で、電子製品はマカオから中国本土への持ち出し(密輸出)、未検疫食材は中国本土からマカオへの持ち込み(密輸入)を企図したケースだったとのこと。
着衣の下に隠すケースは4件あり、いずれも税関検査場の申告物なしレーン(グリーンレーン)を通過した際の通関者の不審な様子を察知した税関職員が呼び止め、詳細検査を行った結果、身体の腰回りや脛の部分にラップで巻き付ける、靴の中に入れるといった手段で隠し持っている密輸品を発見、越境自家用車は1件で、リスク管理システムの事前警戒アラートによって検査対象車両を絞り込んだという。
上述の5件の密輸事案に関与した男女5人は22〜40歳のマカオ居民及び中国本土居民で、全員を対外貿易法違反で起訴済みとした。なお、発見された密輸品のうち、電子製品は押収、未検疫食材食材については廃棄処分を行なったことも明らかにした。
一昨年(2023年)初頭のウィズコロナ転換による水際措置の緩和に伴い、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、いわゆる運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、物品を着衣の下に隠す手口や越境自家用車の悪用が目立っている。
税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守及び報酬を目当てに運び屋行為へ従事しないよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨む考えを示した。