佐々木舞香(=LOVE)が、日曜劇場『キャスター』(TBS系)に出演し、徐々に注目を集めている。
佐々木が演じている戸山紗矢は、報道番組『ニュースゲート』を制作するJBN・報道フロアの学生アルバイト、通称“C班”。決して出番が多い役ではないものの、第4話よりディレクターの梶原(玉置玲央)にコピーを渡したり、進藤(阿部寛)たちが参加する打ち合わせにも参加。第5話からはスタジオでのシーンにも登場し、第7話では『ニュースゲート』の終了後に「放送は以上です! お疲れ様でした!」とスタッフに声をかけている。分かりやすく成長を体現しているキャラクターだ。
戸山の背景については、サイドストーリーの『恋するキャスター』(U-NEXT)で詳しく描かれている。『恋するキャスター』はADの本橋(道枝駿佑)を主人公に、戸山とADのジェソン(キム・ムジュン)を中心にした報道ラブコメディだ。おばあちゃん子である戸山は、祖母が好きだからという理由からJBNのアルバイトに応募。コピーの仕方も分からずに困っている戸山を「大丈夫ですか?」と本橋が優しく手を差し伸べるという、キュンキュンのラブストーリーが展開されている。各話毎の物語は本編の『キャスター』とほぼリンクしており、第5話にて戸山がAD見習いに昇格。スタジオでカンペを出すまでのポジションになるものの……といった流れ。『恋するキャスター』を視聴していれば本編での彼女の成長の裏側が分かると同時に、本橋と何気なく話している様子や梶原、海馬(岡部たかし)に愛嬌良くリアクションしている姿も見方が変わることだろう。
戸山を演じる佐々木は、指原莉乃がプロデュースを手がける=LOVEのメンバーの一人。佐々木がセンターを務める最新曲「とくべチュ、して」はTikTokで7億回再生を突破し、大きな話題を集めている。『キャスター』と同じTBSとしては、朝の情報番組『ラヴィット』で知っているという視聴者も多くいるかもしれない。
俳優としては、2022年に放送されたドラマ『生き残った6人によると』(MBS・TBS)や2023年放送の『隣の男はよく食べる』(テレビ東京)などへの出演があり、2024年に出演し、ヒロインを務めたミュージカル『東京リベンジャーズ』 が現在の佐々木の代表作と言えるだろう。今回の『キャスター』への出演は、佐々木が着実に積み重ねてきた俳優としての活動に舞い降りた転機。はっきり言ってしまえば、佐々木舞香としてのアイドル的バリューでの起用といった側面も否めなくはない。しかし、振り返れば、かつて=LOVEのメンバーだった齊藤なぎさにもそういった時期を経て、実写版『【推しの子】』(Prime Video)でルビー役を勝ち取るまでのプロセスがあった。
この先、『キャスター』を通じて佐々木が、まだ白に近い俳優としてのフィールドに、自分だけの新たな色を見つけられることに期待しつつ、『キャスター』最終章で見せる戸山の成長、活躍にも注目したい。
渡辺彰浩