元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」が、自身の経験や周囲の業界人から聞いた話をもとにお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半で引退を決意し、ライターへ転向。現在はメディア出演も積極的に行っている。
元セクシー女優が語る「単体女優の裏事情」
普段の生活では到底巡り合えないような美形が揃う、現在のセクシー業界。その中でも「単体女優」は花形で、ユーザーも“メーカー専属”と聞けば「超絶美人」のイメージが強いと思う。
しかし、時折ファンの間で賛否両論なタイプも現れ、その度に「なぜこのコが単体なのか」という人と、反対に「完璧すぎない方が興奮するだろう」という意見を持つ人とで、謎の討論が繰り広げられる。単体契約の基準については、疑問を感じる人も多いらしい。
「よく売れたのは事務所の力」だとか、「女優が担当者の好みだった説」などが囁かれるけれども、あながち間違ってはいない。とはいっても、それらは付加価値レベルで、周りがヨイショするだけではどうにもならないのが現実だ。
単体契約は顔だけでは決まらない!
単体契約は顔だけではなく、ありとあらゆる点を見て判断される。どんなに可愛くても体型がイマイチだと評価は下がり、採用担当は首や手足の長さ、横顔のきれいさ、歯並びなどをくまなくチェックする。
確認箇所は細かすぎるくらい細かく、ちょっと八重歯があるくらいならチャームポイントとして扱われるものの、基本的に歯列が悪いとA~Sランク入りが不可能なくらいに厳しい。
見た目だけではなく、性格もチェック項目の一つ。ちょっとくらい中身が悪くても許されはするけど、協調性ゼロでは大問題。
女優業は「人前に出たときに粗相なく振る舞えるか」が重要なため、面接時の姿勢が乱れていたり、敬語がまったく使えない、人として愛想がないと、どんなにルックスが良くても採用はされない。特に最近の女優は内面のレベルも高いので、“可愛いだけじゃダメ”なのである。
他にも、パブリシティ(メディア露出制限のこと)が全開か、SNSの運用が可能か、イベント開催や参加がOKか……などと、びっくりするほど確認項目が多い。NGが多くても単体起用される場合もあるが、そのぶんハードルが大幅に上がってしまう。
何もかもを考慮してようやく契約が決まるとなると、「可愛い、ハイ採用!」の時代じゃないことが理解できるだろう。