有料動画配信「戦国時代」に オリジナルやライブ競う






 定額やレンタルで映画やドラマを見ることができるインターネット動画配信サービスが、群雄割拠の様相を呈している。高速大容量の第5世代(5G)移動通信システム時代を見据え、一層の市場拡大が予想される中、今月には米アップルが新たに参入し、競争がさらに激化。各事業者はオリジナル作品を制作するなど顧客の取り込みを図っているが、寡占化が進んだ場合に起こりうる文化的問題を指摘する声もある。(森本昌彦)

 「(作品の)権利獲得競争も放送事業者間だけでなく、配信事業者との競争も厳しい面が出ている」

 WOWOWの田中晃社長は今月7日の定例会見で、こう語った。その言葉通り、有料動画配信市場は活況だ。

 デジタルコンテンツ協会の調査によると、平成30年の動画配信の市場規模は推計2200億円。令和5年には2950億円に成長すると推定されている。

 国内の民放キー局を運営の主体とした動画配信サービスはかつて、テレビ局の放送済みのドラマやバラエティーなど、自社コンテンツを有料で配信することが多かった。見逃した番組の配信も加わる。家族が一緒に決まった時間にテレビを見る習慣が薄れ、スマートフォンなどのモバイル端末の発達で、いつでも好きな時に視聴するライフスタイルが急速に普及した。こうした背景もあり、動画配信サービスは若い世代を中心に一定の支持を得る。

 しかし、平成27年に日本でサービスを始めたアマゾンやネットフリックスなどの海外勢は邦画、洋画、米ドラマなどを幅広く取りそろえ、さらに、豊富な資金力でオリジナル作品の制作にも力を入れた。

 動画配信サービスの会員数は非公開となっているケースが目立つが、ネットフリックスはわずか4年で約300万人を獲得。若年層の嗜好(しこう)がテレビからネットへと移行する中で、動画配信市場はテレビ局など日本の事業者が無視できない存在となっている。

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