今もっとも旬な若手俳優は? と聞かれたら、迷わず野村康太だと答えられる。ピチピチの若い逸材力はすごい。
2022年放送のドラマ『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』(読売テレビ・日本テレビ)で俳優デビューして、ネクストブレイク候補から売れっ子まで超特急で飛躍した。兄もすごい。モデルの兄・野村大貴も独自の魅力的スタイルを磨いて、世界を舞台に活躍しようとしている。
彼らの父・沢村一樹もすごい……。最旬の野村兄弟について、男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が解説する。
新人俳優役を演じる野村康太
『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』(テレビ東京系、毎週金曜日深夜放送、以下、『ディアマイベイビー』)で松下由樹が狂乱の芸能マネージャーを演じている。あるアイドルのマネジメント経験がある筆者からすると、えっ、こんなマネージャーいるの? いやいやいないよなと、その非現実的にぶっ飛んだキャラ設定にギョッとする。
でもこの狂乱のマネージャーは、一応敏腕とされる人物で、たしかに審美眼はある。彼女が半ばひと目惚れ的にスカウトして、狂おしいまでの愛情を込めて育てあげる新人俳優。瞬く間にスター俳優になるその様子は、役柄を超えて演じる俳優その人の現在と自然とオーバーラップする。
新人俳優役を演じるのは、野村康太。松本まりか主演ドラマ『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系、2024年)で高校生役を演じて以来、ネクストブレイク候補から一気に飛び抜けた逸材。2024年はドラマ7本、映画3本もの作品に出演した。
2025年5月2日からは初主演映画『6人ぼっち』が公開され、今、もっとも旬な売れっ子俳優である。
強烈なあだ名を上回る身近な同業者
『ディアマイベイビー』狂乱のマネージャーは、新人俳優にある呼び名をつけた。第2話の夕食場面で本人にこう言う。「バブちゃん」。マネージャーがアーティストを赤ん坊のように慈しむあまり、こんな呼び名をつけるなんて吹き出しそうになるが、でもそれだけに強烈。
同作のこの呼び名によって、バブちゃんイコール野村康太というパブリックイメージすら抱かせる。これを機にバブちゃん俳優とあだ名で呼ぼう。なんて冗談だけれど、強烈なあだ名を上回る存在が、野村康太の身近にいる。しかも同業者(!)。
その同業者がバラエティー番組などに出演すれば、必ずあだ名で呼ばれる。人呼んで「エロ男爵」。とてもフランクな下ネタを繰り出すキャラが人懐こい、沢村一樹である。実は野村康太は沢村一樹の次男。