中国が海洋および気象観測用と主張して西海(ソヘ、黄海)暫定措置水域(PMZ)内外に設置した浮標13個は灯台型やパネル付きなどそれぞれ異なる形態であり、高さ10メートルほどの巨大浮標もあることが分かった。政府内外から韓国軍艦の観測など政治的な用途で活用される可能性があるという懸念が提起される中、実物の写真が確認されたのは初めてだ。
海軍が2日に国会に提出した写真資料によると、中国が2018年2月から23年5月までPMZ内外に設置した13個の浮標にはほとんど「海洋監測(監視・測量)ブイ」と書かれている。QF107-QF222などの数字もある。2023年5月20日に東経123度線で新たに発見された3つの浮標にはそれぞれ「中華人民共和国海洋観測ブイ」「中国電力建設」「中国海洋監測浮標QF222」と表記されている。
このうち中国電力建設は中国国務院委員会傘下の100%国営企業である中国電力建設公司を意味すると推定される。浮標の中には「二酸化炭素流量モニタリング浮標」と表記されているものもあった。浮標の主体として複数の政府省庁・機関が動員されたことを表している。表記も海洋観測用という主張を後押しするための意図的な演出とみられる。
また高さ10メートル近い巨大浮標と灯台機能がある浮標、太陽光パネルを付着した浮標など形態も多様だ。中国はこれら浮標を東経123-124度線に集中的に設置している。東経124度は中国軍が海上作戦区域(AO)と一方的に宣言したところだ。
軍関係者は「中国は名目上、海洋気象観測用というが、これを開けてみない限り、潜水艦探知目的など軍事的目的で活用しているかどうかは分からない」と懸念を表した。「西海の内海化」のためのグレー挑発、韓国海軍などの公海上訓練を監視する目的などが考えられる。これに対し韓国政府も海洋水産部・気象庁などが気象観測用浮標を設置したが、数的に力不足という指摘が出ている。
韓国軍の合同参謀本部によると、中国軍は先月PMZ一帯に航行禁止区域を宣言し、軍事訓練を実施した。これに対し韓国海軍も比例対応するレベルで近隣海域に出動して航海した。合同参謀本部の関係者は「該当水域で中国軍の訓練内容や参加戦力などについてわが軍が評価・分析中」と明らかにした。
外交部は「政府としては浮標の軍事偵察目的運用の可能性を含め、さまざまな可能性を念頭に置いて関係部処と連携しながら関連動向を綿密に注視している」とし、中国の浮標の軍事用途の可能性を排除していないと明らかにした。外交部の関係者は「我々も周辺海域に複数の浮標を設置・運用中であり、中国側の構造物に対する比例的対応レベルで設置した浮標も含まれる」とし「今後も政府は中側の動向を綿密に注視しながら比例的対応など必要な措置を取っていく予定」と明らかにした。