「女々しいイメージ」とネット民が激おこ…それでも「中国でKポップ全面解禁」の現実味


<ミサイル配備に端を発した「限韓令」から約10年、トランプ迷走も追い風に中国市場に復活か?>

そんなニュースに期待が高まっていたが、直前に「現地の事情によってやむを得ず延期」と発表され、中国と韓国の雪解けの可能性をめぐってさまざまな臆測が飛び交っている。

【動画】2025年1月 北京のショッピングセンターでのK-POP公演[aespa(에스파)]

2016年、アメリカと韓国は北朝鮮の弾道ミサイル計画拡大に対抗する措置として、米軍が開発したミサイル防衛システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」の韓国配備に合意。

これに反発した中国は、Kポップなど韓国文化の流入を制限する「限韓令」を非公式に実施してきた。

だが10年近くが過ぎ、ドナルド・トランプ米大統領の追加関税やヨーロッパと東アジアの安全保障へのコミットメントをめぐる発言が二転三転して疑念を呼ぶなか、中国はアメリカの同盟各国との関係修復に乗り出している。李強(リー・チアン)首相は昨年5月、韓国を訪問。中国首相の訪韓は15年以来9年ぶりだった。

そして今年4月29日、Kポップの男性アイドルグループ「EPEX」が5月31日に福建省で公演を行うと発表されたが、延期に。実現していれば、注目すべき変化になるはずだった。今後の開催日程については検討中だという。

韓国の音楽業界は、この公演が中国の14億人市場における「韓流」復活の起爆剤になることを期待していた。

■中国側の根強い反感

一方、中国のネット市民の反応は複雑だ。THAADの配備継続に加えて、中国の若者に影響力を持つKポップグループに「女々しい」イメージがあるとして怒りは根強い。

中国版マイクロブログの新浪微博(シンランウェイボー)には「THAADは撤去されるどころか、むしろ増えている──われわれは韓国に屈したんだ」という書き込みが。

「韓国がアメリカを捨てて中国を選ぶわけがない」「メンバーに中国人がいるならともかく、そうでないグループは全て論外」といったコメントも見受けられた。

中国外務省の郭嘉昆(クオ・チアクン)報道官は4月29日の会見で「公演の詳細は把握していない」とした上で「わが国は(韓国との)有益な文化交流および協力に開放的だ。韓国が中国と協力し、さまざまな分野で2国間交流と協力を進めることを願っている」と強調した。

とはいえ、中国でKポップアイドルや他のジャンルの韓国人アーティストによる大規模公演が加速するかは不透明だ。韓国の聨合ニュースは、音楽業界のベテランマネジャーの発言をこう伝えた。

「今年初め頃、限韓令が5月か6月頃に緩和されると噂された。地方都市の2000席未満の会場での小規模な公演を許可するムードはある。だが大きな会場で一流アーティストの公演が可能になるかどうかはまだ分からない」

世界を席巻する勢いのKポップでも、限韓令の壁を越えるのは簡単ではないようだ。

マイカ・マッカートニー(アジア安全保障担当)



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