長嶋茂雄さん死去、SNSで「遺産争い」心配の声も 一茂さんが口にした「放棄」って生前にできるの?


【相続放棄】の仕組みを弁護士が徹底解説

●巨人ファンにとどまらず、広く愛された

監督としても手腕を発揮し、リーグ優勝5回と日本一2回を達成。それまでの功績から国民栄誉賞(2013年)、プロ野球界初となる文化勲章(2021年)が授与された。

巨人ファンにとどまらず、広く愛された。80年代生まれの阪神ファンである筆者にとっては、野球中継と警備会社のCMを通じて、どこか憎めない親戚のおじさんのような存在だった。

●一茂さんは「もう遺産放棄している」と発言していた

長嶋さんの子といえば、タレントの長嶋一茂さんや、キャスターの長島三奈さんがよく知られている。

しかし、東京スポーツなどによると、一茂さんは2019年に出演したフジテレビ系「ワイドナショー」に出演して、長嶋家の遺産について「もう遺産放棄している」と発言したという。

●法律上、相続の放棄は「生前」にできない

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内に相続を承認するか、放棄しなければならないとされている。(民法915条)。

相続放棄する場合は、家庭裁判所に申述書を提出しなければならない(民法938条)。そして、正式に放棄が認められた人は、初めから相続人とならなかったものとみなされる(民法939条)。

実際は、長嶋家で生前に「遺言書」が作られていた可能性もあるので、個別の事情は外部からはうかがい知れない。

ただ、遺産分配において最低限保証される「遺留分」については、生前に放棄することも可能であり、その場合は家庭裁判所の許可が必要となる(民法1049条)。

●昭和が本当に終わった

長嶋さんの訃報を聞いて、ありきたりな表現だが「昭和が本当に終わった」と思わずにはいられない。

戦後の日本に現れたスター選手が国民に残した「遺産」はあまりにも大きい。

弁護士ドットコムニュース編集部



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