【北京=三塚聖平】中国を訪問した河野洋平元衆院議長を団長とする日本国際貿易促進協会(国貿促)の代表団は3日、北京の人民大会堂で中国の李強首相と会談した。李氏は、トランプ米政権の関税措置を「世界各国への挑戦」と指摘し、日中両国で「さらに協力を深め、これに対抗していくべきだ」と呼び掛けた。同行筋が明らかにした。
李氏は、米中両政府が追加関税の大幅引き下げなどを決めた5月の合意について「中国側の主張に沿ったものだ」と述べたほか、「中国側が合意をするために原則を譲ることはない」と強調した。
河野氏は会談で、中国によるレアアース(希土類)などの輸出規制について、「日本企業もいろいろと影響を受けている」として考慮するよう要請した。また、李氏は日本側がパンダの貸与を希望していることについて、「高く重視している」と表明したという。
河野氏が会談で、韓国で新大統領が就任すれば日本で開催予定の日中韓3カ国による首脳会議の調整が進むとの見方を示したのに対し、李氏は「日本、韓国と意思疎通を図っている」と述べて前向きな姿勢を示した。
国貿促は、中国との友好促進や経済関係の強化を目的に活動する日中友好7団体の一つで、河野氏が会長を務めている。今回の訪中団には、日本企業幹部や沖縄県の大城肇副知事ら約100人が参加。2023年の訪中では李氏と、24年は何立峰副首相とそれぞれ会談している。