小泉進次郎・農林水産大臣(44)が備蓄米を随意契約で小売店に売り渡した問題で、複数の国会議員が小泉農水相の方針に異議を唱えたり、苦言を呈したりしている。ところがネット上では“反小泉”の議員に批判が殺到。場合によっては炎上するケースさえ出た。小泉農水相を全面的に支持する有権者が増え続けている可能性があり、政界関係者からは「石破内閣の支持率も上昇させつつある」との声も聞こえる。
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最初に注目を集めたのは5月28日に衆議院で開かれた農林水産委員会。ここに立民は野田佳彦代表(68)、維新は前原誠司共同代表(63)、国民は玉木雄一郎代表(56)──と党首クラスが質問に立ち、時事通信は《異例の布陣》と報じた(註1)。
就任まもない小泉農水相に舌鋒鋭く迫るべきところだったが、結果的に世論の集中砲火を浴びたのは当の野党幹部たちだった。担当記者が言う。
「3人の中で最も批判されたのは国民の玉木さんです。備蓄米には2021年産のコメも含まれるため『1年たったら家畜の餌に出すようなもの』と指摘。たちまちネット上では『生産者をバカにしている』、『国民が物価高に苦しんでいるのを分かっていない』と激しく炎上しました。玉木さんは当初こそ反論していたものの、炎上が全く鎮火しないこともあり、5月31日に出演したBSテレ東の番組で陳謝しました」
立民の野田氏も、ネットではかなり叩かれた。質問では石破茂首相(68)がコメの適正価格を5キロ3000円台と明言。小泉農水相も備蓄米は5キロ2000円台を目指すと断言したことを振り返り、「驚いた。数字を明確にした」と違和感を表明した。
野田氏は石破内閣の「価格ありき」という姿勢を批判、「バナナの叩き売りではないので、気合は分かるが、それが適正価格なのか」と疑問を投げかけた。
不評だった「バナナのたたき売り」
「野田さんの主張をまとめれば、『生産者にとっての適正価格も考えるべき』になるでしょう。これに小泉さんは『古い備蓄米の価格としては適正』と反論し、さらに『消費者のコメ離れを防ぐ』ことが目的だと理解を求めました。実態はともあれ、Xでも野田さんの“バナナのたたき売り”はかなり不評でした。『コメ高騰にあえぐ消費者の声を無視した暴論』、『(コメの価格が)高くても安くても文句をつける』、『人の行動にケチつけるなんて、簡単だよね』と炎上に近い状態となりました」(同・記者)
玉木、野田の両氏に比べると、良くも悪くも前原氏は目立たなかった。とは言え、ネット上で問題視された発言がないわけではない。
「委員会で前原さんは『5キロ2000円のものを出すんだという決意がやっぱり示されるということが私は大事』と、小泉さんにエールを送る場面もありました。その上で、前原さんは備蓄米が全国に行き渡るのか、転売の恐れはないのかと質問。これに小泉さんは『北海道から沖縄まで同時同量で行き渡ることはない』と答え、転売は対策を検討することを明らかにしました。前原さんの場合は特定の発言が炎上することはありませんでしたが、『コメ高騰に何もしなかった政治家が横から口を出すな』との批判は目立ちました。前原さんの質問は“重箱の隅をつつく”と有権者に受け止められたのでしょう」(同・記者)