歌手の中森明菜が、60歳の誕生日を迎えた7月13日、東京都内でファンクラブイベントを開催した。異国情緒あふれる鮮やかな赤い着物姿で登場した歌姫は、「還暦だよ」と茶目っ気たっぷりに語り、集まったファンに感謝を伝えた。このイベントは、長年の応援に対する感謝を示すとともに、彼女の変わらぬ魅力と精力的な活動ぶりを改めて印象づける機会となった。
イベント詳細とファンとの交流
今回のファンクラブイベントは、7月12日から16日までの期間中、昼夜合わせて計9公演という異例の規模で開催されている。1公演あたりの参加人数はわずか156人に限定されており、ファンにとってはまさにプレミアムな時間となった。会場では後方のスクリーンに「HAPPY BIRTHDAY AKINA」の文字が映し出され、ファンからの温かいバースデーソングが会場全体に響き渡った。1982年5月に16歳で「スローモーション」でデビューした明菜は、「ついこの間まで16歳だったのに」と冗談を交えつつ、祝福に目を細めた。「緊張しいは相変わらず。というか、年を取るごとに、もっと緊張しちゃう」と照れ笑いする一面も見せた。最前列のファンとは超至近距離で交流し、「近い、近い、近い」と語りかけながら手を振った。「明菜ちゃん、乾杯しよ~」という声が上がるとグラスを手に「かんぱ~い」と応じたり、ファンのリクエストに応えて“エア”でのハイタッチをしたりと、ファンとの距離の近さを楽しんだ。次々に飛ぶ要望に「切りがないだろ」と笑顔で突っ込むなど、親しみやすい一面をのぞかせた。
中森明菜が還暦イベントで花束を受け取り笑顔を見せる様子
圧巻のパフォーマンスと復帰後の精力的な活動
チャーミングなトークから一転、歌唱に入ると、その雰囲気はがらりと変わった。「飾りじゃないのよ涙は」や、「I MISSED ”THE SHOCK”」のJAZZバージョンを含むメドレーなど、合計10曲を披露。時に妖艶に、時に包み込むような優しい声で情感豊かに歌い上げ、会場を魅了した。一曲歌い終えるごとに深々と頭を下げ、ファンへの感謝を伝えた。体調不良からの復帰後、中森明菜は精力的に活動を続けている。昨年7月のファンクラブイベントで6年半ぶりに生歌唱を披露して以来、同12月に追加公演を行い、今年4月には大分の野外フェスにも出演した。さらに、読売テレビ「あらいぐまカルカル団」では33年ぶりにアニメ声優を務めるなど、新たな分野にも挑戦。冬にはディナーショーも予定しており、その活動の幅を広げている。
今後の展望:アルバムとライブへの期待
会場のファンからは、新しいアルバムの発売を期待する声が多数上がった。これに対し明菜は「出したいんだけどね」と含みを持たせ、ファンを喜ばせた。また、遠方でのライブ開催を望む声には、「そうなのよね。みんな遠いところから足を運んでくれているんですもんね」と、遠方から駆けつけたファンへの気遣いを見せた。60歳を迎えなお、衰えることのないパフォーマンスと、ファンを大切にする姿勢は、多くの人々にとって希望と感動を与えている。
参照元
https://news.yahoo.co.jp/articles/9dfb011b8f75f68a6b62197552e218ab25c1ee1a