世界遺産・高山社跡の入場有料に 来年度から500円


 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成4施設の一つ、高山社跡(たかやましゃあと、群馬県藤岡市)の入場が令和2年度から有料となり、1人当たり500円を徴収することになった。管理する藤岡市は28日に開会する市議会12月定例会に、関連する条例改正案を提案する。

 構成4施設のうち富岡製糸場(同県富岡市)は1千円、荒船風穴(あらふねふうけつ、同県下仁田町)は500円の入場料を徴収しており、藤岡市は「バランスを取って500円とした」と説明。藤岡市民と18歳以下の見学者は無料となる。

 入場料収入は、施設の保存整備や管理運営、展示内容の充実などに充てる方針だ。

 昨年秋に修復補強工事が終了した長屋門では、かつての高山社の姿を仮想現実(VR)動画で再現するサービスを行っている。藤岡市文化財保護課は「さらに目玉となるような企画を実現していきたい」とし、近くに設置している高山社情報館への誘導も図っていく考えだ。

 高山社跡は近代養蚕法「清温育(せいおんいく)」を開発した高山長五郎の生家で、養蚕教育機関としても活用された。

 入場者は、世界遺産に登録された平成26年度の5万3938人をピークに減少が続いていたが、30年度には前年度比2956人増の2万2284人と増加傾向に転じた。約7割は県外からという。



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