韓国で左派による「報復」が始まろうとしている。6月4日、李在明大統領が就任。投票日直前に「非常戒厳令に関連した保守政治家全てを処罰する」と宣言した。韓国観察者の鈴置高史氏は、「激しい党争の挙句に滅んだ李朝を見る思い」と懸念を示す。
当選を喜び、支持者に応える韓国の李在明大統領(左)と金恵京夫人
「反日」より深刻な問題:専門家が懸念する独裁化
鈴置氏は、日本では反日ぶりに注目が集まるが、より見過ごせないのは韓国に再び独裁体制が生まれる可能性だと指摘。「民主主義を謳う専制国家」の出現は、朝鮮半島全体の混乱を招きかねないという。
李在明大統領による「処罰」宣言
李大統領は5月30日のJTBC番組で、昨年12月3日の戒厳令計画関係者は「処罰されるべき」と明言。「責任ある者は政府内に多く隠れており、協調した者を皆捕まえ責任を問う」と述べた。
特別検察官法による捜査開始へ
共に民主党は「内乱・外患特別検察官法」を法制司法委で通過させ本会議送付済み。国会で3分の2近くの議席を持つため成立は確実視される。李政権発足後、特別検察官が任命され、尹錫悦前政権時代の閣僚が捜査される見込み。政権に近い人物が起用されるだろう。対象は韓悳洙前首相、崔相穆前経済副首相、李祥敏前行政安全部長官ら、国務会議参加閣僚とされる。
警察の準備状況:出国禁止措置
警察も準備を進め、非常戒厳特別捜査団は韓悳洙前首相らを調査し、出国禁止措置を取っている。
これらの動きは、李政権による前政権への露骨な「報復」であり、韓国政治の先行きに暗い影を落とす。鈴置氏の危惧するような激しい党争による混乱は、朝鮮半島の安定を揺るがす可能性があり、今後の展開が注視される。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/59d35826a3a83fb5abee64f50444801edc0f9849